2018 Fiscal Year Research-status Report
日本人幼小児古人骨の歯に残された食生活痕の変化の探索
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17K07583
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
鈴木 敏彦 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (70261518)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 日本人 / 古人骨 / 歯 / 咬耗 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，乳歯の咬耗およびエナメル質減形成を，幼小児期における食性や食習慣・栄養状態を表す指標として捉え，日本人の幼小児骨に残された乳歯や萌出直後の永久歯を調査分析することで，日本人が幼小児期にたどった生活史の時代的・地理的変遷を探ろうとするものである。前年度は現代人乳歯抜去歯約1000本と乳歯列石膏模型を用い，乳歯の咬耗度の観察基準の規格化を図り，幅広い年齢段階に対応した咬耗度の評価を行えるようにした。本年度はこの基準に基づき，実際の乳歯咬耗の年齢変化の分析に着手した。今年度資料としたのは約２～７歳の現代日本人幼児の歯列石膏模型と，江戸時代の遺跡から出土した幼小児骨である。前年度，咬耗の評価基準の有効性の検討が課題として残っていたが，本年度の調査と得られたデータの検討の結果，特に基準を変えることなく適用できることが明らかとなった。また当初の研究計画になかった成果として，モンゴル人保育園児（２～６歳）の歯列石膏模型の観察を行う機会が得られたことは，特筆すべき研究の発展と考えられる。本研究の対象となるのは過去から現代までの日本人であることに変わりはないが，食習慣の異なる他の人類集団の乳歯咬耗度を同一基準で評価し，生活環境と歯に現れる痕跡を比較検討することで日本人集団の特性をより具体的に明らかにできるものと考えられる。なお，現代日本人乳歯の咬耗度の年齢推移に関しては，平成31年3月に行われた日本解剖学会全国学術集会において成果発表を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では他大学所蔵人骨の調査を広く行う予定であったが，研究代表者および研究協力者による資料調査の実施が予定よりも少なく，古人骨に関するデータの蓄積が若干遅れている。ただし実績の概要でも述べたようにモンゴル人の咬耗データを収集することができたことから，研究内容として大きく遅延しているわけではない。また最終年度の資料調査で回復可能な進捗状況であり，当初の研究計画への影響は少ないと判断される。
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| Strategy for Future Research Activity |
2019年度は研究の最終年度にあたる。年度の前半では，これまで調査が行えなかった他施設に赴いて実際の古人骨資料の調査を進め，データを蓄積する作業を継続する。またこれと平行して，当初の研究計画に基づいて研究の全体像の集約に着手する。年度の後半には学会発表・論文作成による成果の公開に向けて準備を進める予定である。2018年度から新たに加わった研究協力者の参画は特に海外の資料へ調査範囲を拡大する上で大きな推進力となっており，2019年度の計画の発展的進行が期待される。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額は，当初計画していた資料調査が実施できなかったことによる旅費に相当するものが大きい。次年度請求額と合わせ，研究遂行に必要な資料調査旅費に充当する予定である。
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Research Products
(14 results)
