2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒトのブラキエーション動作の運動学的・筋電図学的分析
Project/Area Number |
17K07590
|
Research Institution | Osaka Kawasaki Rehabilitation University |
Principal Investigator |
岡 健司 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (70629633)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ブラキエーション / 雲梯 / 三次元運動解析 / 筋電図 / ロコモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは地上を二足歩行で位置移動する動物であり、その身体構造・機能は二足歩行に適応しているが、雲梯などに上肢で懸垂して前進するブラキエーションのような移動運動も行うことができる。二足歩行とブラキエーションのような様式の異なる移動運動間で体幹・体肢の働きを比較することで、移動運動全般における推進や姿勢調節の機序の一端が明らかになると考えられる。本研究は、懸垂型移動行動であるブラキエーション時および二足歩行時の体幹・体肢の働きを、運動学的および筋電図学的手法によって比較分析し、ヒトの移動運動全般における姿勢調節に体幹・体肢が果たす役割を明らかにすることを目的とする。 今年度は、実験室内に雲梯を設置し、ヒトのブラキエーションと二足歩行の両方における四肢運動を、三次元運動解析装置を用いて運動学的に計測・解析する環境を構築した。この環境下で、成人被験者を対象に四肢運動を計測し、特に、支持基体から離れたswing肢の状態に着目して解析を行った。その結果、上肢支持で行われるブラキエーション時にも下肢運動が活発に生じることが示された。運動様式間で比較すると、上肢・下肢の振り出される順序・タイミングにはブラキエーションと二足歩行で類似性がみられるが、ブラキエーション時の下肢は体幹回旋と同方向に、二足歩行の上肢は体幹回旋と逆方向に動く傾向があり、支持基体から離れたswing肢の働きは運動様式ごとに異なることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的であった、複数被験者のブラキエーション時および二足歩行時の四肢運動についての運動学的計測および比較解析を実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、運動学的分析に加えて筋電図学的分析を行う。体幹を中心とした骨格筋の活動を、複数筋あるいは両側で同時測定することで、ブラキエーション運動時の身体姿勢保持、推進において体幹・四肢が果たす役割を調べる。また、鉄棒などの体操競技経験者を被験者とし、慣れの影響について解析することも並行して行う予定である。
|
Causes of Carryover |
雲梯の設置が当初予定額を下回ったため、未使用額が生じた。次年度、筋電図計測システムの拡充に使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)