2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identifying novel strategy for preventing heat-stroke by clarifying the underlying etiology of anhidrosis from study of exocrine control of sweat gland via innovative research methods
Project/Area Number |
17K07591
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
室田 浩之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90363499)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 汗腺 / 無汗症 / 発汗 / バリア機能 / バイオマーカー / トランスクリプトーム / 自律神経 / 汗 |
Outline of Annual Research Achievements |
指定難病である特発性後天性全身性無汗症の病因解明を目的として、(1)皮膚末梢血流量測定による自律神経機能評価、(2)患者同一個体の有汗部と無汗部の皮膚病理組織残検体からマイクロダイセクションにより摘出した汗腺から微量のtotal RNAを抽出し、RNAシークエンシングを用いて病因に関わる遺伝子の発現探索、(3)luminex法による血清バイオマーカーの探索を実施した。 起立に伴う末梢血流動態の変化による自律神経評価では無汗症患者では有意に血流回復時間の延長がみられ、自律神経異常の生じている可能性が示唆された。RNAシークエンシングによるトランスクリプトーム解析では免疫系や感覚受容に必要な遺伝子の発現が発汗機能の損なわれた汗腺では減少していることが確認された。特に嗅覚受容体OR51Aは有汗部汗腺に、無汗部皮膚に比し有意に高発現していた。OR51Aはin situ hybridizationにおいても汗腺での発現が確認できた。ORのリガンドとしてアゴニスト、アンタゴニストとして報告されている香料が発汗機能に与える影響を軸索反射性発汗試験で確認したところ、アゴニストで発汗増加、アンタゴニストで発汗抑制が確認された。luminex®法による血清中バイオマーカー探索ではパイロット的に4症例で検討を行い、その結果、サウナでの発汗刺激前後でいくつかのサイトカイン、ケモカイン、具体的にはEGFやNGFといった増殖因子、リンパ球の活動性に影響する因子や可溶型受容体の発現に変化がみられた。
|
Research Products
(36 results)