2019 Fiscal Year Research-status Report
サツマイモの塊根肥大を促進する新たなエンドファイトの機能解明
Project/Area Number |
17K07634
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
大脇 良成 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, グループ長 (60355542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 圭毅 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 主任研究員 (40414750)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エンドファイト / サツマイモ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、サツマイモ塊根形成に対するエンドファイトの影響を検討し、エンドファイトの接種により塊根の初期肥大が促進されることを明らかにした。今年度は、これらの成果を国際学会で発表するとともに、エンドファイトの接種が塊根の初期肥大を促進する機構の解析を継続して進めた。サツマイモの塊根形成への関与が報告されている7つの遺伝子について、リアルタイムPCR法によりβ-Tublinを対照遺伝子として定量方法を検討し、6つの遺伝子について定量条件を確立した。一方、1つの遺伝子については非選択的な遺伝子増幅が見られ、プライマーの設計を見直す必要があった。定量条件を確立した遺伝子については、エンドファイト接種および非接種のサツマイモの肥大初期の塊根や細根から抽出したRNAサンプルについて遺伝発現の検討を行い、遺伝子の種類や植物の部位による発現量の違いを検出した。今後はこれらの解析をさらに進め、エンドファイトによる塊根形成促進のメカニズムを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エンドファイト感染によるサツマイモの塊根肥大促進について、いくつかの新たな知見を見出し国際学会で発表するなど、着実に成果が得られている。一方、今年度の解析により、塊根から抽出した一部のサンプルについてcDNA合成の効率が悪いことが明らかになり、対処方法の検討に時間を要した。そのため、当初計画していた遺伝子発現の網羅的解析が開始できず、研究に遅延が生じた。トラブルの原因については対処方法を見出し、現在予定していた実験の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
リアルタイムPCR法による遺伝子発現の定量条件が確立されたため、エンドファイトの感染が塊根形成遺伝子の発現に及ぼす影響を定量的に解析し、その詳細を明らかにする。また、一部遅延していた実験については解決の方向性を見出したため、研究期間を延長して予定の実験を進め、当初計画を達成する。
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Causes of Carryover |
今年度計画していた、外注による遺伝子発現の網羅的な解析が、研究の遅延により遂行できず、その費用を次年度に繰り越した。また、国際学会出席に係る旅費が当初予定よりも安価となったため残額が生じた。次年度は、遺伝子発現の解析経費や成果公表費用として使用する予定である。
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