2019 Fiscal Year Research-status Report
Creation, propagation and preservation of Torenia genetic resources
Project/Area Number |
17K07640
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
深井 誠一 香川大学, 農学部, 教授 (80228858)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | トレニア / 種間交雑 / 花色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに作出したトレニア種間交雑種T.fournieri x T.baillonii(FB)の花色は、T.fournieri(F)の花色に関わらず、ほぼ同じ花色を示した。これをT.baillonii(B)と戻し交雑をすると花色の変化が認められた。この中の1系統を自殖したところ、その中からこれまでにない赤橙色を示す個体が得られた。この赤橙色を示す赤花個体および育成過程で使われた、FBと(T.fournieri x T.baillonii) x T.baillonii(FBB)の花色素を分析した。 HPLC分析により花色素分析を行った結果、FB、FBBおよび赤花個体の3系統すべてに2種類の主要アントシアニンが検出され、FBではペオニジン3,5-ジグルコシド(Pn3,5dG)とマルビジン3,5-ジグルコシド(Mv3,5dG)、FBBではマルビジン3-グルコシド(Mv3G)と未同定アントシアニンAn1、赤花個体ではペオニジン3-グルコシド(Pn3G)と未同定アントシアニンAn2が検出された。FBBでは赤花個体で主要アントシアニンのPn3Gも少量検出された。FとBの花色素においてもPn3GとMv3Gは含まれていないことから、FBとBの戻し交配の結果から得られた集団のFBB系統では3グルコシドタイプのMv3Gの蓄積とPn3Gが少量蓄積されたことにより花色が赤み帯び、さらにFBBを自殖した集団から得られた赤花個体ではPn3GとAn2が赤色の発現に影響していると考えられた。 以上のことから、赤花個体の花色素はPn3GとAn2の蓄積によって赤橙色を示していたことがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた種間交雑種の獲得が達成され、その戻し交配から新規花色を持つ系統の作出に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画期間の3年を終え、当初の予定以上の成果を得られたが、得られた新規交配種の特性調査にさらに時間を要するため、1年の延長を申請した。今後は、得られた新規交配種の実用性を調査して本研究を総括したい。
|
Causes of Carryover |
研究の継続の必要性(得られた種間交雑種の園芸的実用性の調査)が生じたため、研究機関を延長した。
|