2020 Fiscal Year Research-status Report
Growth evaluation of strigolactone-biosynthetic defective mutants in tomato
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17K07650
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
梅原 三貴久 東洋大学, 生命科学部, 教授 (30469895)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ストリゴラクトン / マイクロトム / ゲノム編集 / CCD7 / LBO / D14 |
Outline of Annual Research Achievements |
SLの生合成では、βカロテンイソメラーゼ、カロテノイド酸化開裂酵素CCD7とCCD8の3種類の酵素反応を介してβカロテンからSL生合成中間体カーラクトンが作られる。その後、イネではシトクロムP450の酸化反応を経てカーラクトンからSLの4デオキシオロバンコールやオロバンコールが作られる。ところが、シロイヌナズナではMORE AXILLARY GROWTH1(MAX1)がコードするシトクロムP450の酸化反応によってCLからカーラクトン酸(CLA)が作られ、メチル基が転移してカーラクトン酸メチル(MeCLA)が作られ、LATERAL BRANCHING OXIDOREDUCTASE (LBO)がコードする2オキソグルタル酸依存的酸化酵素によってハイドロキシカーラクトン酸メチル(hydroxyMeCLA)が作られる。 まず、筑波大学のマイクロトム変異系統からTILLING法でCCD7欠損系統を探索したところ、2系統候補が得られた。ストリゴラクトンの量は減少していたが、枝分かれの数は野生型とほぼ同等であったため、変異体としては利用できないと判断した。次に、TILLING法で得たLBO欠損系統3系統のうち、ストリゴラクトンの量が野生型に比べて著しく少なかった2系統について、変異の影響を明らかにするために変異タンパク質を大腸菌で発現させ、MeCLAの代謝実験を行った。2系統の変異タンパク質ともhydroxyMeCLAは検出できなかったが、CLA生成量は野生型タンパク質と変化が認められなかった。また、昨年度マイクロトムのD14欠損変異体をTILLING法で1系統得たが、枝分かれの数は野生型とほとんど同じだった。そこで、ゲノム編集でのD14欠損変異体の作出を試みたところ、候補が12系統得られた。そのうち、有力な候補2系統について現在枝分かれの数を測定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染が拡大し、大学の実験室への出入りや新規実験の実施が3ヶ月以上制限された。そのため研究計画が遅れ、補助事業期間の延長を申請することとした。計画は遅延したものの、筑波大学との共同研究や研究協力者からのサポートにより、年度後半は研究をある程度進めることができた。これまでにCCD8とMAX1については枝分かれの数が増え、ストリゴラクトン量が少ない変異体をTILLING法で得ることができた。引き続き順次戻し交雑を進め、余計な変異を除去し、他の研究グループから利用の希望があれば提供できる体制を整えており、現在BC4の種子を得ている。しかしながら、D14とCCD7については見つけることができなかった。D14とD14Likeについてはゲノム編集で変異体を作出し、表現型の解析を行っている。LBOの機能欠損についてはまだ検証の余地が残されているが、その結果によってこちらもゲノム編集で欠損変異体を作出する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染が拡大したため、補助事業期間の延長を申請した。植物ホルモンの情報伝達欠損変異体では、活性型のリガンドが蓄積することが多いので、次年度、LBOとD14の二重欠損変異体を作出することで、植物体内に蓄積するLBOの基質や産物をin vivoで調査する。さらに、D14とは別にD14Likeのゲノム編集系統も15系統得られた。こちらも順次表現型を調査を進め、活性型のリガンド探索に利用する。
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