2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of LED irradiation on rose petal growth to improve cut flower quality
Project/Area Number |
17K07651
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 邦夫 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (30345871)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 花弁成長 / 光波長 / 糖代謝 / 細胞壁伸展性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バラ切り花の開花現象について光刺激および植物体内リズムとの観点から明らかにしようとするものであり、開花現象の分子機構の解明を通して光による切り花品質保持技術や開花促進技術を開発することを目的としている。令和元年度は昨年度に引き続き植物ホルモンによるバラ切り花の開花への影響を調査した。昨年度までに判明したオーキシンの処理方法による影響について詳細に検討した結果、花弁への直接浸漬処理が効果的であり、開花促進効果が高いことが明らかとなった。さらに花弁での糖代謝に係わるインベルターゼ活性がオーキシンにより誘導されることを複数のバラ品種を用いて示すことができた。ただし、細胞壁伸展性に係わるエクスパンシンやXTHのmRNA発現に関しては安定した結果を得ることができず、今後の課題となった。研究期間全体を通して、赤色光と青色光とではバラ切り花の感受性が異なり、開花速度や花弁からの蒸散量も変化することを明らかにすることができた。さらに、光照射と合わせて花弁へのオーキシン処理を行うことで花弁における主要な糖代謝関連酵素であるインベルターゼを活性化し、光照射時に合成された同化産物の速やかな転流を促す仕組みについて示唆することもできた。一方で、エクスパンシンやXTHといった細胞壁伸展性に関するタンパク質や水チャネルの役割については更なる解析が必要となった。本研究では、収穫後のバラ切り花への赤色光照射とオーキシン処理を組み合わせることで、収穫後での開花を促進しつぼみをより大きく開かせる効果が示されたため、切り花品質向上技術への応用を示唆する有用な知見が得られたと考えている。
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