2018 Fiscal Year Research-status Report
クライオ電子顕微鏡を用いた抵抗性タンパク質の活性化機構と立体構造の解明
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17K07668
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
河野 洋治 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 客員准教授 (00406175)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、理想の構造解析法であるクライオ電子顕微鏡と生化学解析を駆使して、現在まで不明である抵抗性タンパク質Pitのリガンド認識から、下流分子の活性化に至るプロセスを明らかにすることを目的とする。以下のように実験を進める予定である。前述したように、全長の抵抗性タンパク質の精製が困難な為、生化学的な解析が不可能であった。これまで確立している動物培養細胞を用いた方法だけでなく、新たに昆虫細胞を用いた精製法を試して、全長のPitタンパク質の精製系を確立する。得られたタンパク質を用いて、抵抗性タンパク質の活性の調節に重要であると考えられているヌクレオチド結合、分子内結合、分子間結合の解析を行い、抵抗性タンパク質Pitの不活性化と活性化の状態を明らかにする。一対の抵抗性遺伝子Pit-1とPit-2が、アジア地域の祖先遺伝子から複製されていることを見出した。 Pit-1およびPit-2は直接ヘテロオリゴマー複合体を形成したが、それらはそれぞれ異なる機能を有していた。Pit-1はETIの実行者として作用し、Pit-2はPit-1の機能を抑制する。 我々は、Pit-1とPit-2の機能的相違を決定する3つの重要な残基を同定し、それらのうちの2つがPit-1によって引き起こされるETIに不可欠であるPit-1の膜局に関与することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抵抗性タンパク質のPit-1とPit-2の機能違いを規定する残基を同定しており、当初の目標を達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
リガンド認識後の抵抗性タンパク質Pitの活性化状態への遷移のメカニズムの解明 1)リガンド認識後のPitヌクレオチドの交換反応 動物のNLR型タンパク質の解析から、抵抗性タンパク質はリガンドを認識後にADPからATPへのヌクレオチド交換反応が起こり活性型になることが予測されている(図1: ②ヌクレオチド交換反応)。PitのリガンドであるAvrPitを加えたときにPitのヌクレオチド交換が促進されるかを放射線ラベルしたヌクレオチドを用いて検討する。 2) リガンド認識後の抵抗性タンパク質Pit分子間結合の解析 酵母ツーハイブリッドを用いた解析化から、PitはCCドメインでオリゴマーを形成することを明らかにしている(未発表データ)。動物のNLR型タンパク質 Apaf-1は、リガンド認識後のオリゴマー化が下流分子の活性化に重要であることが知られている(図1:③分子間相互作用)。PitがリガンドであるAvrPitを認識した際に、オリゴマー化が起きるかをゲル濾過やショ糖密度勾配を用いて解析する。
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Causes of Carryover |
予想以上の研究の進展があり、実験を前倒しする必要があったため。
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Research Products
(11 results)