2019 Fiscal Year Annual Research Report
Property of rice blast resistances gene with a moderately resistant phenotype of wild rice
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17K07675
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
林 敬子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 上級研究員 (40391437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 亮 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (70467687) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | いもち病 |
Outline of Annual Research Achievements |
野生イネの染色体置換系統が保有する抵抗性が植物に与える効果を病斑レベルで解析することを目的とし、過去2年にわたり抵抗性遺伝子の特性を把握するための材料育成および病斑解析に必要な手法構築を含めた予備試験を行ってきた。 昨年度から更に連鎖解析を進め、当該遺伝子の座乗領域を限定するに至った。次世代シークエンスによる座乗領域のゲノム構造解析から、染色体置換系統と日本晴のゲノム間における構造の違いが抵抗性に影響を与えている可能性を見出した。 当該抵抗性は日本のいもち病菌の種類(レース)に影響を受けにくい中度抵抗性であり、植物の状態により抵抗性強度が大きく変動した。詳細な病斑特性解析を行うため、組織内に侵入したいもち病菌をGFP等の組み換え体を用いることなく観察する方法を開発した。本方法は、自然条件下で葉や穂に侵入したいもち病菌を観察できる。罹病性病斑を用いた解析により、いもち病菌は維管束に沿って進展し、菌の侵入位置より広い領域で水の浸透が阻害されることを見出した。その生物特性を生かし、「菌の侵入により水分枯渇を受ける植物組織」という視点から病気の進展を数値化する「切り花染色剤を用いたイメージング法」を開発した。本方法により、中程度の抵抗性を達観で判定する際に起きやすい観察誤差の影響を受けない検定が可能となった。開発した方法をもちいて、野生イネ由来の抵抗性が葉いもちのみならず、穂いもちにおいて、基本的に同じメカニズムで効果を与えている可能性を明らかにした。
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