2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cloning and characterization of a new resistance gene to the green rice leafhopper in the indica rice variety.
Project/Area Number |
17K07688
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
田村 泰盛 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, ユニット長 (90370668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 耐虫性品種 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、ツマグロヨコバイ抵抗性の候補遺伝子をCRISPR-Cas9システムでノックアウトした形質転換体(T2)を用いてツマグロヨコバイ抵抗性の検定を行った結果、候補遺伝子の一つで、ノックアウトにより抵抗性が消失することが確かめられた。抵抗性遺伝子がコードするタンパク質は受容体様のタンパク質であると予想された。イネにはこの抵抗性タンパク質が起点となり誘起される未知の防御機構が存在する可能性が示唆された。抵抗性タンパク質から下流の未知の防御機構を調べるために、コシヒカリの遺伝的背景で抵抗性遺伝子を導入した準同質遺伝子系統(near isogenic line: NIL)と感受性のコシヒカリで、ツマグロヨコバイに加害された箇所を透過型電子顕微鏡で詳細に解析した。その結果、2つの系統のツマグロヨコバイの加害部位で篩部の状態に差異が認められ、抵抗性タンパク質により誘起される防御反応の下流には、篩管閉塞等の物理的な吸汁阻害反応が関与する可能性が示唆された。 研究期間全体を通じて、ツマグロヨコバイに吸汁抵抗性を示すイネの新規遺伝子が単離できたことは大きな成果である。また、抵抗性遺伝子は受容体様のタンパク質をコードする遺伝子であり、この抵抗性タンパク質が起点となり、イネの篩部で篩管閉塞等によるツマグロヨコバイの吸汁阻害反応が誘起される可能性が示唆された。篩管閉塞が吸汁阻害の直接的な要因であることを確かめるためには、今後篩管閉塞に関わる物質の特定を進める必要がある。
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