2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of establishment mechanism of catalytic microorganisms on the cathode surface and biocathode performance improvement by hybrid systems
Project/Area Number |
17K07713
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 肇 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50549269)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | バイオカソード / トランスクリプトーム解析 / 電気化学的メタン生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオカソードの微生物的な触媒機構の理解を目指し,前年度に引き続きバイオカソードにおける優占種2種の相互作用の理解を目的としたトランスクリプトーム解析を行った。電極からの電子供給の影響を評価するため、触媒能を持つバイオカソードの回路を開回路とした後にバイオカソードからRNA抽出を行った。また、最終電子受容(メタン生成)の影響を評価するため、メタン生成阻害剤(2-bromoethanesulfonate: BrES)を添加した後にバイオカソードからRNA抽出を行った。得られたRNA-seqの結果を、電気化学的メタン生成を行っている閉回路のバイオカソードのもの(前年度に実施)と比較した。Methanothermobacter sp. strain EMTCatA1に関しては、尤度比検定により、146の発現変動遺伝子が抽出された。階層クラスタリングの結果、6クラスターが形成された。最も大きなクラスターは閉回路条件下で発現量の多い遺伝子を含むが、このクラスターの49遺伝子のうち、28遺伝子は機能不明のタンパク質がコードされていた。また、直接的な電子伝達に関与する遺伝子は見られなかった。Coriobacteriaceae sp. strain EMTCatB1に関しては、103遺伝子が発現変動遺伝子として抽出された。閉回路条件で高発現する遺伝子を含むクラスターにはc型シトクロム、ギ酸デヒドロゲナーゼのヒドロゲナーゼ部位、V型ATP合成酵素のサブユニットをコードする遺伝子が含まれており、これら遺伝子が電気化学的メタン生成反応に関与している可能性が示唆された。これら結果から、バイオカソードにおける優占種2種の相互作用を推定した。 一方、バイオカソードのハイブリッド化に関しては、触媒能の向上に有効な効果を示すファージは得られなかった。
|