2019 Fiscal Year Annual Research Report
Synthetic carbon dioxide fixation system using formate dehydrogenase
Project/Area Number |
17K07717
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊原 正喜 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (50391868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ギ酸資化菌 / ギ酸代謝経路 / 微生物探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトでは、水素分子とギ酸をエネルギー源且つ還元力、炭素源として利用し、気相中の二酸化炭素を効率よく固定する微生物の開発を目標としている。2019年度は、①これまでに改良したギ酸デヒドロゲナーゼと光合成反応中心複合体を用いた光駆動ギ酸生産系の構築に取り組んだ。また、②室温静置培養にて高い二酸化炭素固定能を示す新規バクテリアに加えて、ギ酸資化能を示す新規バクテリアの探索に取り組んだ。①については、これまでに安定化したギ酸デヒドロゲナーゼ変異体について、まず光化学系Iのサブユニットの一つであるPsaEとの融合遺伝子を作製し、リンカー長やタグの最適化により、融合タンパク質として発現させることに成功した。このPsaE融合ギ酸デヒドロゲナーゼは光化学系Iに会合することが確かめられたが、光駆動ギ酸生産能は低かった。②に関連しては、水素細菌による二酸化炭素固定の課題が、ガス(水素、酸素、二酸化炭素)供給のための激しい攪拌にあることを受け、水面に浮遊するバイオフィルムを形成し、気液界面に高い細胞密度を実現することで、ガスの取り込みを効率化している株を単離した。これらの株は、低濃度のガスに対して高い親和性を有するヒドロゲナーゼや、シトクロムcオキシゲナーゼ、Rubiscoを有していると考え、現在それぞれのガス親和性を評価している。また、二酸化炭素の取り込みの別経路として、Rubisco経由のカルビン回路のほかに、二酸化炭素の2電子還元体であるギ酸のセリン回路にも注目し、ギ酸資化菌の探索も行った。ギ酸資化菌は、わずか数株が単離されているのみであったが、今回新規ギ酸資化菌を2株単離し、ギ酸添加最小培地において、最も研究されているギ酸資化菌Methylobacterium extorquence AMlよりも増殖速度が2~3倍であった。現在、ギ酸資化関連酵素の同定を目指している。
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Research Products
(1 results)