2018 Fiscal Year Research-status Report
Lanthanides-dependent regulation of metabolic enzymes in the plant symbiosis methylotrophic bacteria.
Project/Area Number |
17K07738
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
三井 亮司 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60319936)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Plant symbiotic bacteria / Methylotroph / Methylobacterium / Methylorubrum / Lanthanides / Methanol / Polyamine / Methanol dehydrogenase |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の細胞伸長や分裂に伴い放出されるメタノールは地球規模では年間一億トンを超えると言われている。このメタノールを葉上で直接利用して生育するMethyloruburum属やMethylobacterium属は植物の生育を促してメタノールを獲得するために様々な手段を講じている。例えば植物に対して様々な化学物質を供給するだけでなく、メタノールを得るために有利な環境を認識するためのメカニズムを有すると考えられる。そこで本研究ではこのメタノール資化性細菌が植物とともに生育し、その植物の生育状況に応じた生育環境認識機構を有することを明らかにすることを目的としており、このメカニズムは微生物生態学的な意義だけに限らず、農産物の効果的栽培や病原菌防御効果につながるものと期待している。 本年度はMethyloruburum extorquens AM1株をモデル細菌として用いて研究を行った。植物の生育とMethyloruburumの植物体上の環境の認識、具体的にはMethyloruburumが生育する環境として根圏や土壌付近から植物体生長に伴い地上部へ、そして葉上などを認識するためにはこれまで生物体が利用する金属とは知られていなかったランタノイドが主要な役割を持っていると考えている。土壌に含まれるランタノイドが植物体の土壌部から地表部、頂上部に向けて濃度勾配を形成し、それを指標として酵素の補欠因子や酵素の誘導因子として利用することで代謝をコントロールしていることについて検討した。まず、ランタノイドに直接的な応答を示すメタノールデヒドロゲナーゼ(MDH)に着目した。M. extorquens AM1株はゲノム内に3種類のMDHアイソザイムが見出され、そのうち2つがランタノイドに誘導を受け、残る一つはランタノイドで発現が抑えられることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標としては、環境認識機構の中心的な役割を持つと考えられるメタノール脱水素酵素(MDH)の発現プロファイルを確認するため、組換え株を作成してMethyloruburum extorquens AM1内でどのような誘導を受けているのか確認することを当初より計画していた。M. extorquens AM1内には3種類のMDHが確認されており、MxaF1, XoxF1, XoxF2と呼ばれている。この内XoxFタイプのMDHは環境認識に関わるランタノイド依存型であり、昨年度から本年度において野生型のプロモータの下流にHis-tagを付与した標識型のMDHを発現させるように組換株を作成した。これをウエスタンブロッティングを用いてランタノイドの有無や濃度変化への応答を確認した。また、His-tag標識されたMDHを精製することも容易になったことから、XoxF1とXoxF2を精製した結果、昨年度Formaldehyde acticating enzyme(Fae)と代謝酵素複合体を形成している可能性が示唆された。そこでFaeの欠損変異株も取得して解析している。 以上のように組換株作成からその発現調節機構の解析および新たにFaeとの関係性を明らかにするための変異株の作成にも成功した。このことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となることから、MDHアイソザイムのランタノイドとの関わりについて、本年度までに作成した様々な変異株及び育種株を駆使し、MethyloruburumのMDHを調節するメカニズム、及びそれに伴う植物葉上で優勢形成するメカニズムへの知見を得ることを目指す。また、Methyloruburumが生成する様々な植物生長を促す化合物に着目し、ランタノイドとの関係性、とくに植物体との共生において成長促進物質を生産する場所(環境)がランタノイド濃度が指標となっているとの推定を確証付けるデータを収集することを行いたい。学会発表や論文発表を通じて新たな知見を公表し、更に研究を展開して次のステージを目指す。特にこれまで明らかにしてきた知見はM. extorquens AM1にかぎらず、生態系で起こっている普遍的であるにもかかわらず、明らかにされていない事例であると考えられ得ることから、応用展開も見据えて研究を推進していく。
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Research Products
(5 results)