2022 Fiscal Year Annual Research Report
Structure and function of pilus tip proteins of Lactococcus lactis
Project/Area Number |
17K07741
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 チセ 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80343820)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Lactococcus lactis / cell surface protein / mannose / lectin / alpha-1, 2-mannobiose / yeast cells |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究課題の成果を論文化し、PlosOneにおいて発表に至った。 Lactococcus lactis subsp. lactis G50(以下G50)は、植物由来の菌株であり、免疫賦活活性が高いことからプロバイオティクスの候補となり得る。G50細胞全体に対して作成した抗体を用いた細胞壁タンパク質のウェスタンブロッティングにより、120kDaのタンパク質が検出された。MALDI-TOF MS分析により、このタンパク質はLeu-Pro-any-Thr-Gly細胞壁アンカードメイン含有タンパク質YwfGであることが確認された。予測されたドメイン構造に基づき、YwfGのN末端半分に相当する組換えタンパク質YwfG28-511の結晶構造を決定した。その構造は、L型レクチンドメイン(LecD)、ムチン結合タンパク質ドメイン(MBPD)、ムチン結合タンパク質リピート(MucR)から構成されていた。これらのドメインを組み合わせた部分タンパク質YwfG28-270, YwfG28-311, YwfG28-511, MubR4を調製し、単糖との相互作用を等温滴定型カロリメトリーで調べた結果、LecDを含むYwfG28-270とD-マンノースとの間にのみ相互作用を認めた。4種類のマンノビオースのうち、α-1,2-マンノビオースがYwfG28-270と最も親和性が高かった(解離定数=34μM )。YwfG28-270は、酵母マンノプロテインおよび酵母マンナンとも相互作用した。YwfG28-511の結晶中ではマンノースおよびα-1,2-マンノビオースはLecDに同様に結合した。YwfG28-270, YwfG28-311, YwfG28-511を添加すると酵母細胞の凝集を誘導した。また、G50株菌体は酵母細胞の凝集を誘導したが、G50株のywfG欠損株では凝集能が消失したことから、表面のYwfGが酵母細胞との相互作用に寄与していると考えられた。これらの結果は、細胞表面タンパク質YwfGとマンノースの結合を介した酵母等との相互作用について、新たな構造的・機能的知見をもたらした。
|