2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of novel regulatory mechanisms of membrane proteins mediated by protein N-myristoylation
Project/Area Number |
17K07758
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内海 俊彦 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (20168727)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タンパク質N-ミリストイル化 / 膜タンパク質 / タンパク質脂質修飾 / 細胞小器官 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質N-ミリストイル化は、これまで可溶性の細胞質タンパク質に生じ、膜への局在化を介して細胞情報伝達をはじめとする特異的機能を発現することが知られてきた。これまでに我々は、ヒトタンパク質配列情報をもとに、ヒト細胞内に存在するN-ミリストイル化タンパク質を網羅的に同定した結果、約40個ものN-ミリストイル化された膜貫通タンパク質が存在する事を明らかにした。本研究では、これらの膜タンパク質に生ずるN-ミリストイル化の機能とその機能発現の分子機構を解明し、N-ミリストイル化を介した、膜タンパク質の新たな機能制御機構の存在を明らかにすることを目的としている。2019年度の研究においては、非小細胞肺がんや大腸がん組織での高発現が報告されているタンパク質ANKRD22の細胞内局在、膜局在化機構及び膜上トポロジー形成機構に注目し解析を行った。その結果、ANKRD22がN末端とC末端をいずれも細胞質側に向けた、ヘアピン状に屈曲した一つの膜挿入領域を持つmonotopic膜タンパク質であることを明らかにした。また、ANKRD22は小胞体膜上でのタンパク質合成と共役して一つの疎水性領域を介して小胞体膜にヘアピン状に組み込まれ、その後N-ミリストイル化とヘアピン状の屈曲に依存して小胞体膜からlipid dropletへと移行することが示された。これらの結果、および2017年度、2018年度の研究結果から、これまで細胞質タンパク質に生じる脂質修飾と考えられてきたタンパク質N-ミリストイル化は、小胞体、ミトコンドリア、オートファゴソーム、lipid droplet といった種々の細胞小器官の膜に局在する膜タンパク質にも生じ、その細胞内局在と機能に重要な役割を果たすことが明らかになった。以上、N-ミリストイル化を介した膜タンパク質の新たな機能制御機構の存在が明らかになった。
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Research Products
(13 results)