2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of a receptor of a plant signal compound using new method for target protein identification
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17K07768
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
高橋 公咲 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (30374622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 英幸 北海道大学, 農学研究院, 教授 (20344492)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生理活性物質 / 標的タンパク質 / アフィニティークロマトグラフィー / ペプチドマスフィンガープリンティング / ウェスタンブロッティング |
Outline of Annual Research Achievements |
アザヒポキサンチン(AHX)は、キノコが生産する植物生長促進物質である。その作用機構を明らかにするためにAHXの標的タンパク質の同定を試みた。モデル植物のイネのタンパク質抽出液を用いて、AHXにアジド基を導入したプローブAHX-N3のアフィニティークロマトグラフィーを行った。AHX結合タンパク質を含む画分のnano LC-MS/MS分析およびデータベース解析の結果、本画分には14個のAHX結合タンパク質の存在が推定された。また、ウェスタンブロッティングの結果、分子量が約55 kDaおよび約70 kDaにシグナルが観察されたことから、V-ATPase B subunit 2およびV-ATPase A subunitがAHX標的タンパク質と予想された。両タンパク質の組換えタンパク質を作製し、AHXとの結合を検討した。その結果、V-ATPase B subunit 2 およびV-ATPase A subunitは、いずれもAHXとの結合が確認され、AHXの標的タンパク質であることが推定された。 アブシジン酸(ABA)は植物ホルモンの一種であり、受容体を含むいくつかの結合タンパク質が報告されている。モデル植物のシロイヌナズナのタンパク質抽出液を用いて、ABAにアジド基を導入したプローブABA-N3のアフィニティークロマトグラフィーを行った。ABA結合タンパク質を含む画分のSDS-PAGEを行ったところ、約10 kDaにABA結合タンパク質と推定されるバンドが確認された。このバンドを切り出し、nano LC-MS/MS分析およびデータベース解析を行った結果、チオレドキシン(AtTrxh3)が同定された。組換えAtTrxh3を作製しABAとの結合を検討した結果、AtTrxh3はABAと結合することが判明した。AtTRXh3はストレス応答への関与が指摘されており、ABAがAtTRXh3を介してストレス応答を制御していることが示唆された。
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