2018 Fiscal Year Research-status Report
多様性指向型フラクションライブラリーの構築と新規活性化合物探索への応用
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17K07784
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| Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
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Principal Investigator |
野川 俊彦 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (40462717)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 微生物二次代謝産物 / フラクションライブラリー / 活性物質 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の実施計画は以下の４つから構成される。（1）多様性指向型フラクションライブラリーの作製、（2）ライブラリーのDAD-LC/MS分析およびスペクトルデータベースNPPlotの作成、（3）ライブラリーの活性評価系への適用、（4）活性評価結果とNPPlotを組み合わせた新規活性化合物の探索。平成30年度は(2)および(3)を中心に行った。初年度より順調に計画が進行したことで、(4)の活性化合物の探索にも一部着手することができた。
(2)ライブラリーのDAD-LC/MS分析およびスペクトルデータベースNPPlotの作成：LC/MS分析については昨年度の研究が順調に進んだことで、今年度は分析結果をもとにNPPlotの作成を行った。各フラクションのLC/MSデータよりピークをピックアップし、それぞれの保持時間およびm/zの値をもとにNPPlotを作成した。
(3)活性評価系への適用：本課題を通して作製した約900フラクションを含むライブラリーを活性評価に供した。活性は、数種のがん細胞に対する細胞毒性、バクテリアに対する抗菌活性およびマラリア原虫に対する活性を評価した。作製した全てのフラクションについて評価が終了した。
(4)新規活性化合物の探索：培養条件により活性プロファイルの異なる菌株に着目し、NPPlotと組み合わせることで活性化合物の同定を開始した。
上記の結果より、培養条件や抽出条件の違いにより生産される二次代謝産物に違いを示す菌株があることが確認できた。それら菌株についてはNPPlotでも違いが観察された。さらに、いくつかの菌株については実際にそれら化合物を単離し構造を確認した。以上の結果から、本方法が微生物の二次代謝産物生産能を引き出すために有効であることを確認するとともに、新たな活性物質の創出に有用であることを確認した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
微生物フラクションライブラリーの作製が効率良く進んだことで、計画していた以上の菌株より900以上のフラクションを作製することができた。これにより、全体的に研究が当初計画よりも順調に進み、活性評価、LC/MS分析、NPPlot作成が終了し、活性物質の探索に着手することできた。NPPlotからは化合物の多様性向上に本方法が有用であることを確認することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
本課題で提案した多様性指向型フラクションライブラリーの有用性を確認することができたので、このライブラリーを利用して代謝産物の同定と単離・構造決定を進める。化合物の同定・探索には、既に収集したDAD-LC/MSデータをもとにしたスペクトルデータベースNPPlotを利用する。また、生物活性についても全てのフラクションについて評価が完了した。LC/MSおよび活性評価の結果をもとに構造や活性に着目し、培養条件特異的な代謝産物の探索や新規化合物の探索を行う。
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| Causes of Carryover |
（理由）
進捗状況で報告したように、順調に実験を進めることができたことにより突発的な出費等に対応するために考えていた緩衝費用を調節することができた。それとともに効率良く研究をすすめることで消耗品や試薬などを無駄なく使うように努力した。これらの積み重ねにより予算を効率良く有効活用することができ、少しではあるが予算を節約することができた。
（使用計画）
次年度は化合物の単離・精製が中心になることから、比較的高価なHPLCやMPLCカラムの購入など、効率良く精製を行うための消耗品購入を行う予定である。また、学会での成果発表だけではなく、研究に役立つと思われる勉強会や講習会などにも積極的に参加したいと考えている。
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