2019 Fiscal Year Annual Research Report
Absolute configuration control through chemo-enzymatic onepot process
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17K07785
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 博文 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主任研究員 (70443546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 嘉 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主任研究員 (60416310)
川崎 英也 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50322285)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ワンポット反応 / 脱ラセミ化 / 光学反転 / 酸化反応 / 還元反応 / アルコールデヒドロゲナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
フルクトースの3位の水酸基を反転させることができれば、希少糖であるプシコースを合成することができる。本年度は3位以外の水酸基をイソプロピリデン基で保護したDAF2を合成し、前年度までに開発した有機・酵素ワンポット不斉合成反応を適応することで3位の水酸基の反転を目指した。 DAF2の合成は脱水アセトンにフルクトースを分散させ、0.1%の濃度となるよう濃硫酸を加え、5℃で攪拌することにより行った。この反応では熱力学的生成物のDAF1と速度論的生成物のDAF2の二種が生成するが、上記条件によりDAF2を主として得ることができ、再結晶により完全に精製することができた。これを基質として酸化マンガン/過マンガン酸カリウム酸化剤 (MnO2/KMnO4) による酸化反応について検討したところ、 酸化反応が進行し3-ケトンが生成するものの、その収率はジクロロメタン中で最大28%であり完全に反応させることはできなかった。また、メタノールを溶媒としたときも3-ケトンへの転化率は最大25%であった。そこで、これらをカラムクロマトグラフィーにより精製し、3-ケトンを単離して、ラクトバチルス由来アルコールデヒドロゲナーゼ (LK-ADH) による酵素還元反応を試みたが、還元生成物を得ることはできなかった。 1-フェニルエタノールの脱ラセミ化反応において、これまで用いてきたMnO2/KMnO4酸化剤をカルセランド型酸化触媒として知られている白金/金 (Pt/Au) 触媒に変更し、LK-ADHとのワンポット反応を行ったところ、MnO2/KMnO4では達成できなかった反応のリサイクルが可能であることが示唆され、系全体の触媒反応化への可能性を見出した。
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