2019 Fiscal Year Annual Research Report
Basic study on antitumor effects of the extracts derived from novel brown algae with a cancer cell-specific cell death inducing effect.
Project/Area Number |
17K07793
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
照屋 輝一郎 九州大学, 農学研究院, 助教 (10273971)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フコイダン / 抗腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がんの化学療法の補助食品としての応用を目的として、新奇褐藻由来抽出物である酵素消化低分子化フコイダン抽出物(LMF)がもつ、がん細胞特異的な抗腫瘍効果の検討を目的としている。令和元年度はがん細胞へのアポトーシス誘導に関わるLMFの生理機能の検討を行った。ここではアポトーシス経路がよく知られているヒト白血病細胞株HL-60を使用し検討を行った。HL-60細胞にLMF処理を行った後、アポトーシス実行の鍵となるCaspase-3の活性化について検討したところ、活性型のCleaved Caspase-3の増加が確認された。また細胞外からのアポトーシスシグナルを中継するCaspase-8に関して調べたところ、活性型のCleaved Caspase-8の増加が確認された。そこで細胞外からの細胞死シグナル分子であるTNF-α/TNFR-1、FasL/Fas、TRAIL/TRAILR1, TRAILR2のデスリガンド/デスレセプターのmRNAの発現量をRT-PCRにより調べた結果、LMF処理によるFas及びTRAILR1の発現量の増大が確認された。デスレセプターFasの中和抗体を処理することで細胞のアポトーシスが阻害されるかをCaspase-3/7活性測定を用いて検討したところ、中和抗体処理によりFasLによるアポトーシス誘導は阻害できたが、LMF処理により誘導されるアポトーシスは阻害されなかったため、LMFはFasL/Fas以外の経路を主に使用すると考えられた。一方、LMF処理でBaxの発現増大とBcl-2の発現抑制も確認され、ミトコンドリアを介したアポトーシスの関与が考えられた。またMAPキナーゼタンパク質のリン酸化状態をWestern blottingで検討した結果、p38およびJNKはタンパク質リン酸化が増加していたがERKのタンパク質リン酸化は抑制されていた。
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Research Products
(4 results)