2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of nutrients to control rRNA transcription through epigenetic regulation by KDM2A in rDNA promoter.
Project/Area Number |
17K07798
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 祐司 高崎健康福祉大学, 薬学部, 講師 (90453422)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | KDM2A / 没食子酸 / ヒストン脱メチル化 / リボソーム / rRNA / Gallic acid / ROS |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、KDM2A活性を制御しうる栄養成分として没食子酸を候補として見つけた事から、本年度は、没食子酸によるKDM2A依存的な調節機構について解析を行った。まず、没食子酸(GA)によるKDM2A依存的なrRNA転写抑制誘導はグルタチオン(GSH)、N-アセチルシステイン(NAC)などの抗酸化物質の共処理で抑制されたことから、MCF-7細胞への没食子酸の処理で活性酸素種(ROS)が発生するかどうかを検討した所、微弱ではあるものの処理後4時間でROS発生が誘導される事が分かった。またGA処理によって誘導されるROSはKDM2Aの基質であるヒストンH3K36me2のrDNAプロモーター上での減少に必要と考えられた。以上の事からGAによるKDM2AによるrDNAプロモーターの脱メチル化の誘導には、GAによって生じるROSが必要と考えられた。一方、前年度までにGA処理によって生じるAMPK活性化もKDM2A依存的な制御の誘導に必要であったことから、GA処理時に起こるROSによってAMPK活性化が誘導されるか、AMPK活性化剤のみでROSの発生が誘導されるかを検討した結果、GAは独立的にAMPK活性化とROS発生を生じさせていると考えられた。また、以上の解析は乳がん細胞のMCF-7細胞で行っていたが、がん細胞への特異性があるかを検討する為、非がん細胞由来とされ乳腺培養細胞株のMCF10A細胞でGA処理によるKDM2A活性の誘導を検討した所、MCF-7と比べて、ROS発生誘導、AMPK活性化はいずれも低く、KDM2A依存的なrRNA転写抑制やrDNAプロモーター上のH3K36me2減少、細胞数減少は弱かった。ここまでの成果を論文として発表した(Cells 9(10) 2266 (2020))。
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Research Products
(4 results)