2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanisms regulating anabolic pathways after amino acid starvation
Project/Area Number |
17K07806
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
井澤 一郎 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (20311441)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リボソーム / アミノ酸飢餓 / ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミノ酸飢餓に対する細胞応答におけるObgH2の役割、特にObgH2がアミノ酸不足を感知してタンパク質異化を制御する機構を解明していくため、平成29年度はまず、作製した抗ObgH2抗体が、ウエスタンブロッティング等に使用可能であることをObgH2のsiRNAを用いたノックダウン実験で確認した。また、抗ObgH2抗体を用いた免疫蛍光染色では、ObgH2タンパク質は、細胞質、特にミトコンドリアなどの細胞小器官に局在する可能性を見出した。次に、アミノ酸飢餓後に生じる既知のシグナルとObgH2との関連を検討するため、コントロールsiRNAあるいはObgH2 siRNAで処理したHEK293T細胞をアミノ酸不含培地で培養し、mTORC1経路、オートファジー、GCN2経路の活性化状態を、抗phospho-S6 kinase 抗体、抗LC3B抗体、抗phospho-eIF2α抗体などを用いて観察した。これまでのところ、ObgH2のノックダウンで、アミノ酸飢餓後のmTORC1経路、オートファジー、GCN2経路のいずれにも大きな変化はない結果を得ている。一方、ObgH2タンパク質と結合するタンパク質を同定するため、GST-ObgH2融合タンパク質を用いたプルダウン実験を行い、いくつかのリボソーム関連タンパク質を同定した。また、ヒトObgH2 cDNAには、NCBIのREFSEQと比較して2か所の塩基が異なっている(両方ともアミノ酸も変化している)ものがあることから、ObgH2には遺伝子多型が存在する可能性があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に得たい結果であった、アミノ酸飢餓後におけるObgH2と他の既知シグナルとの関係がほぼ明らかとなったこと、そして、ObgH2と結合するいくつかの候補タンパク質を同定できたことなどから、ほぼ順調に進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に同定したObgH2と結合する可能性のあるタンパク質とObgH2が実際に細胞内で結合しているのかを検討し、ObgH2の機能を探っていく。一方、ObgH2が、種々のストレスから細胞を保護する分子メカニズムについても検討していく。
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Causes of Carryover |
平成29年度に行ったObgH2と結合するタンパク質の同定に関する一部の解析を平成30年度に行うこととしたため。結合候補タンパク質とObgH2が細胞内で実際に結合しているかを、候補タンパク質の抗体を購入して確認する。
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