2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanisms regulating anabolic pathways after amino acid starvation
Project/Area Number |
17K07806
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
井澤 一郎 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (20311441)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / リボソーム / アミノ酸飢餓 / ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミノ酸飢餓に対する細胞応答において、細菌Obgタンパク質ファミリーのヒトのホモローグであるObgH2(別名GTPBP10)が果たす役割、特にObgH2がアミノ酸欠乏を感知してタンパク質異化を制御する機構を検討していくために、HEK293T細胞を、コントロールsiRNAあるいはObgH2 siRNAで処理後、アミノ酸を欠いた培地で培養し、mTORC1シグナルおよびオートファジーをウエスタンブロッティングで検出した。その結果、ObgH2のノックダウンでは、アミノ酸飢餓後のmTORC1シグナルの減弱およびオートファジーの亢進に大きな変化は検知できなかった。また、同様の実験系でリボソームでの翻訳制御に関与するeIF2αおよびeEF2のリン酸化状態を観察したが、ObgH2のノックダウンで明らかな変化は認めなかった。さらに、Obgタンパク質のもう一つのヒトホモローグであるObgH1の関与も考え、ObgH1とObgH2を同時にノックダウンする実験も行ったが、アミノ酸飢餓後のシグナルに大きな変化は認められなかった。一方、GST-ObgH2融合タンパク質を用いたプルダウン実験で同定したObgH2結合候補タンパク質のひとつであるNucleophosminとの関連について解析を開始した。mycタグをつけたObgH2(myc-ObgH2)を細胞に過剰発現して免疫沈降し、myc-ObgH2と内在性のNucleophosminが結合していることを確認した。Nucleophosmin は核小体での役割がよく知られているタンパク質であるが、ObgH2が主に局在するミトコンドリアにも存在していることが報告されており、今後、特にミトコンドリアでのObgH2とNucleophosminの相互作用について検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アミノ酸飢餓後の細胞応答におけるObgH2のはたらきについて検討し、大きな関与がないという結果となったが、その関係を明確にすることができた。また、ObgH2と結合しうるタンパク質の同定によって、ObgH2の機能解明の糸口をつかむことができたため、おおむね順調に経過していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ObgH2結合候補タンパク質のひとつとして同定したNucleophosminとの関係について解析していく。また、2018年に2つの研究グループから、GTPBP10(ObgH2の別名)がミトコンドリアのリボソームの生合成に関与していることが報告されているので、それらの報告も参考にして検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
他の解析との兼ね合いで、ストレス応答におけるObgH2の役割の解析については、次年度に行うこととしたため。ストレス応答に関連する分子の抗体を購入して実験を行う。
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Remarks |
井澤一郎.二分脊椎と葉酸.日本二分脊椎・水頭症研究振興財団機関誌 Brain and Spinal Cord “B & C”.25(4): 2-3, 2018.
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Research Products
(2 results)