2019 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of involvement of vagus nerve in physiological activity of flavonoids
Project/Area Number |
17K07808
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
橋本 直人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (20414758)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胆石形成飼料 / 脂肪肝 / アディポネクチン / 迷走神経肝分枝 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪肝と血中のアディポネクチン濃度の関連性と、それに対する迷走神経肝分枝の役割についてマウスを用いて解析した。 コレステロールと胆汁酸が含まれる胆石形成食(LG食)を摂取したマウスでは、胆石症と同時に脂肪肝が引き起こされることから、迷走神経肝分枝切除(Vx)または偽手術(sham)を行なったマウスに、通常食(CT)またはLG食を10週間摂取させた。また、LG食群に対して黒大豆種皮のフラボノイド画分を添加した食餌を与えたマウスも用意し、フラボノイドの生理作用も評価した。 ShamマウスおよびVxマウスにおいて、LG食群ではほぼすべての個体で胆汁中のコレステロールの結晶が確認されたが、CT食群では結晶が確認されなかった。また、両手術動物において、CT食群と比較してLG食群では肝臓中の総脂質量が有意に増加し、脂肪肝が発症したことが示唆された。一方、Shamマウスでは、CT食群と比較して、LG食群では有意に血中アディポネクチン濃度が低下したのに対し、VxマウスではCT食群とLG食群で血中アディポネクチン濃度に差は見られなかった。また、単位体重あたりの副睾丸脂肪組織重量については、ShamマウスではCT食群と比較して、LG食群で有意に低く、Vxマウスでも同様の傾向が見られたが、統計的には差は見られなかった。一方、LG食群で見られたこれらの指標に対するBEの影響は見られなかった。また、脂肪重量と血中アディポネクチン濃度とは逆相関することが報告されているが、本研究ではそのような関係は見られなかった。 以上の結果から、LG食摂取による脂肪肝は、迷走神経の肝分枝を介して血中アディポネクチン濃度の低下に影響するが、脂肪組織重量に依存した血中アディポネクチン濃度の低下ではなかったことが示唆された。
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Research Products
(2 results)