2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a virtual metabolic pathway map system for discovery of novel functional flavonoids
Project/Area Number |
17K07810
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
櫻井 望 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 特任准教授 (30392286)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フラボノイド / 仮想代謝マップ / メタボローム解析 / フラボノーム / LC-MS |
Outline of Annual Research Achievements |
(最終年度に実施した研究の成果)新たに植物メタボロームレポジトリ(http://metabolites.in/plants、以下「植レポ」)を公開し、新規フラボノイド候補を少なくとも44個選抜した。これまで構築した食品メタボロームレポジトリ(食レポ)では、85種類の野菜や果物を含む222種類の食品について、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)による網羅的成分分析(メタボローム解析)の結果を公開してきた。また、幅広い植物種を比較するために、シロイヌナズナやポプラなど、14種類28試料のモデル植物等について同様の解析を実施してきた。最終年度はこれらのデータを植レポとして公開した。食レポと植レポには、成分の質量値を既知化合物データベースに検索した結果のほか、その成分がフラボノイドかどうかを研究代表者らが開発したFlavonoidSearchツールで予測した結果を搭載しており、コンピュータープログラムからも検索できる。これにより、未知だがフラボノイドと推定される成分を網羅的に探索可能となり、既知フラボノイドとは糖鎖などの修飾が異なる新規フラボノイド候補を少なくとも44種類見出した。その中には、和三盆糖、黒糖、イネの葉など、イネ科特異的な可能性のあるフラボノイド候補も存在した。 (研究期間全体を通じて実施した研究の成果)集積したメタボロームデータをデータベース化することで、試料特異性のある新規フラボノイドを情報処理的に探索できる基盤が構築できた。当初目標とした仮想代謝マップは、研究代表者の移籍に伴い利便性の高いウェブサイトとして提供するには至らなかったが、その代替として、食レポ・植レポでは、注目した未知フラボノイドの試料局在性を視認する機能を向上させ、研究対象とするフラボノイドを選抜する基盤を整備した。この成果は今後、有用フラボノイドの探索とそのさらなる利活用に役立つだろう。
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Remarks |
LC-MSにより検出されたピークを公開するデータベースであり、フラボノイドと予想されたものにはアノテーションが付されている。本課題では特に(2)の開発に注力し、API機能を活用することで、未知のフラボノイドの候補の探索を行った。
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Research Products
(7 results)