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2018 Fiscal Year Research-status Report

Evaporation of soymilk-Control of protein-protein interaction-

Research Project

Project/Area Number 17K07821
Research InstitutionUniversity of Shizuoka

Principal Investigator

下山田 真  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (60235695)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordssoymilk / evaporation / viscosity / protein aggregation / lipid droplet
Outline of Annual Research Achievements

これまでに豆乳を蒸発濃縮すると固形分濃度の上昇に伴って粘度の上昇することが知られている。前年度の検討より市販豆乳を濃縮した際の粘度変化を2本の指数曲線で表すことが可能であり、低濃度側はタンパク質や脂質の粒子間の距離が短くなることが粘度の主な要因と考えられたが、高濃度側では加えて、脂質粒子とタンパク質粒子の間で相互作用が起こっていることが粘度上昇をさらに加速していることが分かった。そこで、実験室で調製した豆乳を用いて同様の濃縮実験を行い、タンパク質の変性状態との関係について調べた。
その結果、未加熱豆乳では市販豆乳に比較して粘度上昇は小さいことが示された。また未加熱豆乳ではより低い濃度で第2段階目の粘度上昇に移行した。未加熱豆乳では脂質粒子の表面に未変性のタンパク質が結合していることが報告されており、そのために脂質粒子間の相互作用が起きやすいものと考えられた。蒸発時の温度を変化させると、75℃では粘度上昇は1本の指数曲線のみで表せることが分かり、その傾きは2段階目のそれと類似した値であった。75℃ではβ-コングリシニンの一部が熱変性しているものと予想され、超遠心分離において75℃でクリーム層が低濃度でも増加したことから脂質粒子に結合したβ-コングリシニンの一部が変性することで低濃度でも脂質粒子間の結合が起きやすくなっているために粘度上昇が大きくなったものと推測した。実験室で調製した未加熱豆乳を加熱するとすべての条件において2段階の粘度上昇を示したが、その値は市販豆乳よりも大きかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験室で調製した豆乳を濃縮した際の粘度変化、流動挙動についてデータを得、市販豆乳と比較することができた。さらに超遠心分離によるクリーム層(浮遊層)と凝集層(沈殿層)の分離および粒度分布測定の結果から脂質粒子の凝集化と粘度上昇に良い相関がみられ、粘度上昇のメカニズムについても価値のあるデータを得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

これまでの検討において脂質粒子とタンパク質粒子の間の相互作用が濃縮豆乳の粘度上昇に対して大きな影響を及ぼすことが分かった。またタンパク質の変性状態によって、脂質粒子とタンパク質粒子の間の相互作用は異なることが示され、そのことが粘度上昇に大きく影響することが示された。そこで、次の段階として脂質粒子とタンパク質粒子の間の相互作用について解析する。このためには分子間の相互作用に影響を及ぼす様々な化学物質を添加した系で豆乳の加熱や濃縮を行い、粘度や粒度の変化や超遠心分離による凝集体生成状態の解析、蛍光顕微鏡による構造解析によって相互作用がどのように変化するかについて分析し、相互作用の本質について解析する。得られたデータをもとに脂質粒子とタンパク質粒子の相互作用に影響する因子について検討し、その作用メカニズムを考察することで、豆乳を濃縮する際の2段階目の粘度上昇を抑制し、結果としてより粘度の低い濃縮豆乳を調製するための方策について検討する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 生豆乳を加熱濃縮した際の固形分濃度と粘度の関係2018

    • Author(s)
      石山明、増田勇人、江草信太郎、松野正幸、下山田真
    • Organizer
      日本食品科学工学会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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