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2017 Fiscal Year Research-status Report

紅茶テアフラビン類の選択的合成を目指した酵素資源の探索と高生産システムへの応用

Research Project

Project/Area Number 17K07823
Research InstitutionNippon Veterinary and Life Science University

Principal Investigator

奈良井 朝子  日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 准教授 (00339475)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中山 勉  日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (50150199)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsテアフラビン / 紅茶 / ポリフェノールオキシダーゼ / チロシナーゼ / カテキン
Outline of Annual Research Achievements

紅茶の赤橙色色素のテアフラビン(TF)類には様々な生理活性が見出されている。TF類は紅茶製造工程のうち、発酵と呼ばれる過程で2種類のカテキンが茶葉中のポリフェノールオキシダーゼ(PPO)によって酸化された後、重合して生成する。しかし、紅茶中の含有量が少ないため、TF類に関する研究・応用は容易に進展しない。本研究では、1)PPOのモデル酵素として利用されるマッシュルーム由来のチロシナーゼを用いたTF合成反応機構の解析、2)有用なPPO資源の探索、さらに、3)TFの効率的高生産にむけた条件検討をおこない、十分量のTF類を研究・応用の分野へ供給することを目的としている。
平成29年度は、1)において、チロシナーゼとカテキン標品との反応を解析し、カテキン類の組み合わせによって反応液中に生じる過酸化水素量に違いがあること、過酸化水素によってある種のカテキンに対するチロシナーゼの活性が低下すること、カタラーゼを添加するとチロシナーゼによる反応が促進されることを見出した。2)においては、PPOが原因となる酵素的褐変が起こる植物材料を複数種類選び、粗酵素抽出法の検討と合わせて実験を開始した。褐変防止剤の有無、塩析またはアセトン沈殿といったタンパク質の回収法の違いをもうけて、タンパク定量やPPO活性測定結果を指標にTF合成に最適なPPO資源について評価を進めた。材料や抽出法によってタンパク質の回収量は異なり、また、褐変防止剤の有無がPPO活性に与える影響が異なる材料があることが分かった。3)については次年度以降の検討課題として固定化酵素の導入をおこなう予定であるが、反応基質および生成物の分配係数に着目し、チロシナーゼによるTF2A合成反応に溶媒二相系を導入することで一定の成果を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、1)PPOのモデル酵素として利用されるマッシュルーム由来のチロシナーゼを用いたTF合成反応機構の解析と2)有用なPPO資源の探索、3)TFの効率的高生産にむけた条件検討をおこなうことを計画している。1)については、平成29年度に得られた結果を発表する準備を進めている。2)は予想よりも材料からのタンパク質およびPPO活性の収量が得られず、TF合成に最適な材料および抽出法についての評価が遅れている。また、酵素試料と基質溶液(緑茶抽出物)を混合した際に反応液の混濁が生じることがあり、その原因究明も新たな課題となっている。3)については固定化酵素の導入を次年度以降に計画しているが、反応基質および生成物の分配係数に着目して1-オクタノール/緩衝液の二相系をチロシナーゼによるTF2A合成反応に導入した結果、TF2Aの収率・収量が著しく増加することを見出し、学会にて発表をおこなった。

Strategy for Future Research Activity

先述の計画の2)は、今後も植物材料間や粗酵素抽出の方法による違いを評価し、TF合成に適したPPO資源の獲得を目指す。現在は、簡便評価系として、緑茶抽出物を基質に用い、TF合成反応の追跡には分光学的手法を用いているため、今後はHPLCを用いてTF類それぞれの収率・収量からTF合成活性を精密に測定していく。3)については、PPOまたはPPOモデル酵素のチロシナーゼを用いたTF高生産システムの構築に向けて、酵素の固定化法の導入を進めていく予定である。

Causes of Carryover

HPLC用のUV-Vis検出器が当初予定していた購入額より抑えられたため。
今後の使用計画については、HPLCで使用している分析用・分取用カラムの劣化が見られているためカラム購入費として充てることを計画している。また、論文の校閲費および掲載費は申請時に見積もった額を超えることがあるため、それらの費用に充てることも考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 1-オクタノール/緩衝液二相系におけるチロシナーゼを用いたテアフラビン-3-ガレートの効率的合成2018

    • Author(s)
      奈良井 朝子、中山 勉
    • Organizer
      日本農芸化学会2018年度大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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