2018 Fiscal Year Research-status Report
development of sensitive detection method for the pathogenic bacteria in food using a labo-disc
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17K07825
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
久保 いづみ 創価大学, 理工学部, 教授 (40214986)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗体固定化ビーズ / 抗サルモネラ抗体 / 卵黄 / PCR / ラボディスク |
Outline of Annual Research Achievements |
○食品試料から抽出した食中毒菌のラボディスクで検出 本研究計画ビーズによる捕捉なしで、食品試料からサルモネラ菌を抽出した。すなわち、フィルターバックにより、食品の固形成分と菌を分離して、その後、遠心洗浄により、菌を抽出する。抽出した菌液中のサルモネラ菌をラボディスク上でHot Cell-direct PCR法で検出した場合に検出可能な菌の濃度範囲場合の検出限界は4x105 CFU/gであった。これをさらに、培地中で8時間培養することにより30 CFU/gまで検出可能であった。また、卵液のような液体試料では上記の方法では食品成分とサルモネラ菌を分離することができず、抗サルモネラ菌抗体修飾ビーズを使用して液体成分と菌を分離することが必要であることも確認された。 ○抗サルモネラ抗体固定化ビーズの調製とビーズによるサルモネラ菌捕集と試料中妨害物質除去の確認 抗サルモネラ抗体をカルボジイミド法でカルボキシル化ビーズ表面に修飾し、得られた抗体修飾ビーズと卵黄試料中のサルモネラ菌を結合反応させた後、卵黄成分を除去できるかを確認した。卵黄試料を10倍程度に希釈して抗体固定化ビーズと反応させ、その後遠心洗浄を数回繰り返すことで、卵黄成分を除去でき、回収したビーズを用いてサルモネラ菌の遺伝子をPCRで増幅しても反応が阻害されなかった。また、調製した抗体修飾ビーズを用いて、食品試料から抽出した菌液からサルモネラ菌を捕集する効率の最適化を検討し、反応時間等を最適化できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィルターバッグによるサルモネラ菌の抽出実験は、固形食品(肉)では、菌の抽出、集菌を効果的に行えた。しかし、液体(卵液)については集菌時に液体試料成分を完全に除去することができず、PCR反応を阻害することが確認された。 また抗サルモネラ抗体修飾磁気ビーズ表面にサルモネラ菌を捕集する方法についても、ビーズ懸濁液100μLに対し、菌液1mLを反応させ、20分の反応時間で菌をビーズに結合させることができた。これを遠心洗浄してPCRを行ったところ、液体試料成分によるPCR反応の阻害は見られなかった。従って、この方法で菌の捕集および試料成分の除去を行えることが確認された。 これは免疫磁気ビーズを磁力で捕集した場合とほぼ同等の結果となった。 そこで、これらの菌捕集後のビーズ懸濁液をラボディスクのマイクロチャンバーにトラップしてPCRを行い、その結果の解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に捕集にビーズを使用してサルモネラ菌を捕集して行った実験結果について、解析を行う。 1.サルモネラ菌捕集ビーズのラボディスクへの導入と確認 サルモネラ菌捕集ビーズをラボディスクのマイクロチャンバー中に捕捉した場合、ビーズの分布を流路画像から確認し、この分布の偏りがないか、また偏りがある場合、検出結果に影響があるかを検証する。 2.ビーズに捕集したサルモネラ菌のHot Cell-direct PCRによる固有遺伝子増幅の確認 ビーズ自体はPCRに影響がないことを確認できているので、マイクロチャンバー内でHot Cell-direct PCRを行い、ビーズの分布とPCRでの増幅により菌が確認されることとの関係を検証していく。
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Causes of Carryover |
当該年度使用予定額は使用したが、前年度からの繰越金約10万円が未使用となったが、本年度は研究計画を完成させるため、使用して研究を行う予定である。
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