2018 Fiscal Year Research-status Report
Inactivation of microorganisms in foods by burst RF heating
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17K07827
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
植村 邦彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, ユニット長 (50353967)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 短波帯加熱 / 牛乳 / 殺菌 / パウチ / チーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
乳製品の高付加価値化のため、殺菌効果を維持しながら熱履歴を短縮することが期待されている。今年度は、バースト短波帯殺菌処理を乳製品に適用したものと、従来加熱方式が乳製品である生乳とチーズの品質に与える影響について比較検討した。 生乳の短波帯連続殺菌は、昨年度製作したチタニウム製の3枚電極を用いた。生乳が電極通過する間に125℃まで昇温し、3秒間温度保持後、冷却し、0.6MPaの圧力を保持しながら、排出した。比較対象の従来加熱は、プレート型熱交換で125℃まで昇温し、3秒間温度保持後、冷却し、0.6MPaの圧力を保持しながら排出した。牛乳に4種類の指標菌を添加し、短波帯加熱および従来加熱処理した結果、ほぼ同程度の殺菌効果を示した。短波帯加熱および従来加熱処理した牛乳の香気成分をSPME法で測定した結果、アルデヒド類およびケトン類とも短波帯処理したものが従来加熱したものよりも低い値を示した。官能検査の結果、短波帯殺菌処理したものが優位にフレッシュ感の強いことが分かった。 バースト波を用いた水中短波帯加熱によるパウチ包装したチーズの加熱処理を行った。比較対象の従来加熱としては、同様にパウチ包装したチーズを温浴に浸して加熱した。チーズの中心温度が90℃に達するまで水中短波帯処理では200秒かかり、温浴加熱では6倍の1200秒かかった。加熱処理したチーズの中心と表面の硬度を測定したところ、水中短波帯処理では、チーズの表面が未加熱のものに近い硬さを維持し、品質を維持していた一方、温浴加熱したものは中心と同程度まで軟化し、品質が低下することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り研究が進んでおり、予想通りの結果が得られていることから、順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、大豆、豆乳およびおからを試料とし、バースト短波帯加熱処理が大豆加工食品で問題となる枯草菌芽胞の失活やリポキシゲナーゼの活性に与える影響について検討する。
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Causes of Carryover |
次年度に予定している品質評価の分析に予想以上に経費が掛かることが分かったため、次年度に繰り越した。
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