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2022 Fiscal Year Research-status Report

酷暑がヒノキの花粉生産と幹成長に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 17K07840
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

中西 麻美  京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教 (60273497)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2024-03-31
Keywordsヒノキ / 雄花生産 / 気温上昇 / 降水量 / 梅雨 / 土壌水分 / 間伐
Outline of Annual Research Achievements

ヒノキ花粉はスギ花粉と同様,日本の花粉症の主な原因物質である。世界的に気候変動が問題となっており,花粉の飛散開始時期,飛散期間,飛散数に影響が及んでいることが世界各地で報告されている。日本では,年平均気温が変動を繰り返しながら上昇しており,1990年代以降には顕著な高温を記録した年が集中している。ヒノキの雄花芽が生成されるのは6月から8月であり,この時期の気象条件が高温,多照,少雨であるほど雄花生産が多い傾向を示すことが知られている。このため,ヒノキ雄花の生産は夏の気温上昇の影響を受けて増加する可能性がある。また,ヒノキの雄花生産は水分ストレスを受けていない林分でも降雨による花芽分化の抑制効果があることが報告された。したがって,気温上昇環境下では高温による水分ストレスが強まるためにヒノキの雄花芽形成に及ぼす降雨の影響がより一層重要になると考えられる。そこで,長期観測をおこなっている京都府下の2地域5調査区におけるヒノキ雄花生産量について解析を行った。京都市では年平均気温および夏の気温は上昇傾向にあることが報告されている。解析の結果,京都府のヒノキ雄花生産量には増加傾向は認められなかった。酷暑となった年でも梅雨期~夏の降水量はヒノキの雄花芽形成を抑制する効果を示した。したがって,気温上昇環境下であってもヒノキ雄花の生産は増大しないことが予想された。気温上昇環境下ではヒノキの雄花生産に梅雨期~夏の降水量の影響がより重要になると考えられた。また,降雨による抑制効果は林分の土壌条件によって異なることが示唆される結果が得られた。
間伐を実施した林分における雄花生産量の長期変動についても解析を進めたところ,間伐林分でも雄花生産は土壌の水分条件の影響を受けていることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

長期観測の結果を用いた解析によって,気温上昇傾向による変動について予測することができた。また,間伐した林分における観測結果についての解析を進めることができた。降水量による雄花芽形成の抑制効果,土壌水分条件による雄花生産への影響に関する解析が進んだ。

Strategy for Future Research Activity

ヒノキの雄花生産に対する気温上昇傾向による影響,間伐の影響,立地条件,特に土壌条件による影響について明らかにするためにさらに解析を進める。

Causes of Carryover

より長期間,より多地点の調査林分のデータを得て,解析を進めるため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 京都府のヒノキ林における雄花生産量と気象条件2022

    • Author(s)
      中西 麻美,稲垣 善之,大澤 直哉,柴田 昌三
    • Organizer
      日本花粉学会第63回大会
  • [Presentation] ヒノキの花粉生産は梅雨期の降水量が多いほど抑制される2022

    • Author(s)
      中西 麻美,稲垣 善之,大澤 直哉,柴田 昌三
    • Organizer
      第73回応用森林学会大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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