2019 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of mongoose-population utilizing exclusion of a necrophagous insect through competition on food resources
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17K07864
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
上田 明良 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90353599)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マングース / ネパールモンシデムシ / 絶滅 / 沖縄島 / 奄美大島 / 外来種 / 希少種保全 / 競争排除 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄島では、島北部に東西またがるマングース北上防止柵が設置され、柵以北のマングース駆除が重点的に行われている。H29(初年度)-30年に、トラップによるネパールモンシデムシの捕獲を行ったところ、最初の北上防止柵(SFライン)以北に捕獲が集中していて、各サイト(2トラップ計)で38から150個体捕獲された。SFラインと新たに設置された県道14号ラインの間の2サイトでは、それぞれ28、30個体が捕獲された。県道14号ライン以南では、ラインに近い場所で1から8個体捕獲されたが、それ以外はゼロで、捕獲数はマングース密度と明確に関係していた。沖縄島でH30年4-5月に行った小動物死骸(マウス)を置き、その利用者を観察する調査では、SFライン以北では多くがモンシデムシに埋められて、繁殖に利用されていたが、県道14号ライン以南では、ほとんどがマングースの採食にあった。このことから、モンシデムシはマングースの小動物死骸採食により繁殖資源を奪われ、地域絶滅していると考えられた。H30-R1(最終年度)年に行った奄美大島でのモンシデムシ捕獲調査では、過去のマングース密度に関わらず、全ての調査地でモンシデムシが捕獲された。この結果から、マングースがほぼ根絶状態にある奄美大島では、急速にモンシデムシ個体群が回復したと考えられた。最終年度にはわなによるマングース捕獲数とモンシデムシ捕獲数の関係の解析も行い、モンシデムシ捕獲数からマングース密度を推定するモデルの開発を試みた。しかし、マングース密度が高い非防除地域ではわな捕獲データがなく、SFライン以北のわな捕獲データはゼロまたは1であり、中間的なマングース密度が存在する2つのラインに挟まれた地域でのモンシデムシ捕獲データがわずかであったこと、奄美大島では全島で既にマングースが根絶状態にあったことから、あてはまりのよいモデルは得られなかった。
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