2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of micro plastic on symbiosis between corals and Symbiodinium
Project/Area Number |
17K07890
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
大久保 奈弥 東京経済大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50401576)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / サンゴ / イソギンチャク |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの私の研究から、刺胞動物のサンゴにおいて、① マイクロプラスチック(MP)が食物連鎖を通して被食者から捕食者へと移行する・② 小さなMPほど細胞に取り込まれやすい(エンドサイトーシスされやすい)・③ 小さなMPほど細胞から排出されにくい(エキソサイトーシスされにくい)ということがわかり、本来であれば褐虫藻が生息するべきサンゴの細胞内スペースをMPが奪ってしまうことで、サンゴと褐虫藻の共生が阻害されることが明らかになりました。上記②については細胞の大きさが関係している可能性が高く、細胞よりも大きな粒子が入りにくいと考えられましたが、③についてはその原因に見当がつきません。かたや、褐虫藻が細胞外に共生するシャコガイでは、②と③の現象が起こらないことが予備実験から示唆されました。要するに、MPの影響の有無や強弱は、共生関係などにも関与すると思われる、それぞれの動物が持つ細胞のエンドサイトーシス・エキソサイトーシスの機構に依存する可能性が高いのです。そこで、まずは、褐虫藻と細胞内共生するセイタカイソギンチャクを用いて、MPがどこからどのようにエンドサイトーシスされているのかを調べました。まず、サンゴの場合、褐虫藻とマイクロプラスチックはzone of phagocytosisと呼ばれる場所から取り込まれ、mesenterial filamentとfree coilと呼ばれる部分の内側の層の組織へ共に取り込まれていることが組織切片の作成により明らかとなりました。そして、褐虫藻と同じく、マイクロプラスチックも細胞にエンドサイトーシスされ、食胞(vacuole)に包まれていることが電子顕微鏡での観察からわかりました。
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