• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

Production and uptake of polyamine by microalgae

Research Project

Project/Area Number 17K07892
Research InstitutionShikoku University Junior College

Principal Investigator

西堀 尚良  四国大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00228206)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords微細藻類 / ポリアミン
Outline of Annual Research Achievements

塩分ストレス下での細胞内ポリアミン濃度変化を明らかにするため,種々の塩分下で培養を行った。珪藻 Cylindrotheca fusiformis (NIES-2351) を15~35 ‰の塩分で培養を行い,経時的に培養の一部を取り出して細胞内ポリアミンを定量し,タンパク質あたりのポリアミン量を求めた。その結果,何れの塩分条件下でも増殖に大きな差は見られなかったものの,細胞内ポリアミン量は大きく異なり,低塩分の培養でプトレシンとスペルミジンの蓄積が見られ,特にプトレシンの蓄積は著しく大きかった。このプトレシンの蓄積は保存培養を試験培養へ摂取した直後から見られ,1週間後には最大値に達した。これらのことから,低塩分刺激による本藻のプトレシンの合成は,刺激後極めて短時間に開始されると考えられた。
一方,渦鞭毛藻 Alexandrium catenella を同様の塩分条件化で培養したところ,15 ‰では細胞が死滅したが,その他の塩分濃度では何れも良好に増殖した。A. catenella では高塩分条件下で細胞内ポリアミン濃度の上昇がみられ,特にノルスペルミンの蓄積が顕著であった。高塩分でのポリアミン蓄積は増殖が定常期に達した後に最大となり,珪藻で見られたような短期間での細胞内ポリアミン濃度上昇は見られなかった。
以上のことから,珪藻では塩分ストレスに反応して細胞内ポリアミンが短期間に合成されるが,渦鞭毛藻での塩分刺激によるポリアミン合成は比較的遅いことが推定された。
塩分刺激に対するポリアミン合成応答のこれらの違いが,環境中へのポリアミン排出の差の理由のひとつであると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

至適条件下でのポリアミン添加実験を行ったが,用いた藻類および実施した濃度での有意なポリアミン取り込みが見られなかった。このためさらに高濃度のポリアミンを使用する,他種を用いる,あるいは,増殖制限下などでの取り込みを測定することが必要であると考えている。また,取り込み能の有無を明確にすることが必要である。

Strategy for Future Research Activity

ポリアミンは細胞の分裂・増殖に影響をおよぼすことが知られていることから,特に栄養塩制限などによる増殖制限下でのポリアミン取り込みと細胞内ポリアミン濃度の変化について明確にする。
また,ポリアミン合成阻害剤を用いてポリアミン合成を停止し,増殖の停止がポリアミン合成停止によることを確認した後に,種々のポリアミンを添加して,増殖回復の有無および細胞内ポリアミンを定量する。これは特殊な条件下ではあるものの,藻類によるポリアミン取り込み能を明確にできると考えられる。

Causes of Carryover

購入予定であった2槽培養容器よりも安価なものがあったこと,本研究費からの旅費支出がなかったことから未使用額が生じた。次年度はポリアミン合成阻害剤を用いた実験を計画しており,不足している試薬,実験器具等の購入費用にあてたいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 微細藻類の細胞内ポリアミンと塩分2019

    • Author(s)
      西堀尚良
    • Organizer
      平成31年度日本水産学会春季大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi