2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of the optimum fishing strategies from the post-disaster and spatial bio economic analysis; building the resilience of fisheries
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17K07903
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
石村 学志 岩手大学, 農学部, 准教授 (50524815)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 漁場 / 空間分析 / 市場分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の震災再建・空間生物経済分析による最適操業戦略探求:不確実性に強い漁業の社会実装の本研究プロジェクトは、全データの時系列計量経済分析と漁場確定・評価による漁場ポートフォリオの完成を目指し、漁業経済分野での主要国際学会であるInternational Institute of Fishery Economics and Tradeのシアトル大会にて研究発表を行った。 昨年度より行ってきたデータフレーム作成が完成し、基礎的な分析から、クラスター分析による漁場確定とともに、時系列データ分析と応用展開が可能となり分析を行った。漁場確定は、2017年までのすべてのデータを網羅したデータフレームにより、月やシーズン、漁獲魚種による操業地点のクラスター分析を進めた。その結果を関係者に提示することにより、情報をアップデートすることで、補正をかけてきた。現在の時点では、9-12月、1-4月、5-8月の三つの期間にわける、また、選択可能な漁場は最大で3~5カ所であるということで、漁場数を限定した形でのクラスター分析により漁場を確定した。昨年度、限定的データで行った時系列分析については、より完全なデータフレームにより、12万件の市場での売買データを使って、メカジキの価格に対する震災の影響を推定した結果、有意に負の影響がでていることが推定された。時系列分析はさらに、市場オークション分析へと現在展開させており、実際のオークションプロセスでの情報レント計算による価格形成プロセスへと展開しようとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は本研究プロジェクトの目的とする全データの時系列計量経済分析と漁場確定・評価による漁場ポートフォリオ完成を達成することができた。さらに詳細な漁場ポートフォリオの補正は必要ではあるが、前述の各時期における漁業者が想定する漁場を示すこと、また、その漁場での操業の平均的な漁獲種や漁獲量、そして経済価値の算出まで行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の主要研究推進研方策は二点ある。第一に空間生物経済漁業モデルとして完成させること、第二にこのモデルを使った確率シミュレーションを行うことにある。空間生物経済漁業モデルは漁場確定ができたこと、また、現在、航海日数の最適化を推定した論文を投稿中であり、この結果を基にした、航海日数に基づくモデル作成を行ってゆく。確率シミュレーションについては、年ごとの漁獲変動を確率過程としていれる他に、船団所属船の漁労長へ漁場ポートフォリオを提示することで、経験に基づく漁業者の主観的な漁場選択の確率をモデルに組み入れることを目指す。さらに、次年度より操業船の会社統合が進み8隻が一会社の下に入る形となり、新たな操業形態へ移行することになった。より、研究結果の社会実装に繋げられる環境となるため、研究結果の操業へのフィードバックのあり方も検討してゆく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は想定よりも旅費・人件費などが抑えられたため、繰越金が生じた。この残金については、次年度の旅費及び人件費に組み込むことで、研究の充実を図る予定である。
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Research Products
(1 results)