2017 Fiscal Year Research-status Report
A study on the dynamics of Edwardsiella ictaluri in river
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17K07920
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
間野 伸宏 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (10339286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 裕樹 龍谷大学, 理工学部, 講師 (60455227)
難波 亜紀 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (20445737)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 魚病 / アユ / 河川 / エドワジエライクタルリ症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、多摩川水系計22地点において、qPCR法によりE. ictaluriおよびアユ由来のDNA(アユeDNA)量を調べた。なお、E. ictaluri は、Griffin et al. (2011) の方法を一部改変したqPCR法により実施した。アユeDNAは、Yamanaka and Minamoto (2016) に準拠したqPCR法により解析した。
結果として、E. ictaluriは4~5月では下流~中流域を中心に検出され、支流の一部水域においても検出された。6月に入ると検出範囲は拡大し、検出量も増加傾向を示した。7~8月では検出地点が河川全域に拡大し、8月においては支流において検出量が著しく増加した。9~11月になると検出量は中~上流域および支流域において減少傾向を示し、12~3月に検出が認められたのは数地点のみとなった。一方、アユeDNA は4月中旬に下流域で検出され、その後経時的に検出地点数は増加し、5月下旬には河川全域で検出された。なお、9~11月までは河川全域で検出されたが、12月に入ると地点数は大幅に減少し、1月には下流域の2地点のみであった。
アユeDNAは、地点3に隣接する定置網で採捕された遡上アユの採捕量と正の相関(r=0.723:CORREL関数)を示した。また、E. ictaluriのコピー数との相関性を遡上期と降下期に分けて解析したところ、アユeDNAは遡上期においてのみ、E. ictaluriのコピー数と正の相関(r=0.435)がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
E. ictaluriおよびアユeDNAともに、前年度の予備的調査の動態と同様の結果を示し、予想された季節動態が確認された。また、アユeDNA量は下流域の定置網で採捕されたアユ漁獲量と相関性を示し、資源量を正確に示しているものと判断された。更に、遡上期においてのみ、E. ictaluriとアユeDNAに有意な相関性が認められたことから、少なくとも春季のE. ictaluriの動態にアユの遡上が関与しているものと推定できる結果が得られた。これらの成果から、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の予備調査と同様のE. ictaluriの河川動態が確認され、春季におけるE. ictaluriの動態にアユの遡上が関わっていることが予想された。そこで今年度は、遡上期のアユがどのような機序でE. ictaluriの河川動態と関わっているかについて、調査を行う。方法としては、3月より経時的に遡上魚を採捕して保菌状況を解析するとともに、同時期における河川環境中のE. ictaluriの局在を分析する。
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Causes of Carryover |
E. ictaluriのqPCR検出において、1月に予定していた複数の採取試料からのDNA抽出に問題が認められたことから、関連試薬購入を中止した。既に上記問題点は改善されたことから、次年度使用額を用いて必要となる関連試薬を購入し、平成29年度に得た全試料のqPCR解析を完遂させる。
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Research Products
(1 results)