2022 Fiscal Year Annual Research Report
Morphological analysis of tiger pufferfish incisors with multiple hypofunctionalization of incisor-forming genes for bite prevention.
Project/Area Number |
17K07923
|
Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
岡本 裕之 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), グループ長 (50372040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 篤志 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 主幹研究員 (30443352)
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60263125)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | トラフグ / ゲノム編集 / 歯形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
トラフグの切歯形成遺伝子群であるトラフグ分泌性カルシウム結合性リンタンパク遺伝子(SCPP )9種に様々な程度の変異を導入し、その各個体の切歯の形態解析により、トラフグの切歯の形成に主要な働きをする遺伝子を明らかにする。そこでまず、トラフグSCPP遺伝子群の9遺伝子中12座に対して設計したcrRNA各31ng/μl,および tracrRNA 41ng/μl, Cas9RNA 188ng/μl に調整したRNA溶液を、トラフグ受精卵1602個に顕微注入した。ふ化時期の生存率は81%(n=31)であった。推定ふ化数は1200尾であった。ふ化仔魚は体長7-10cm程度まで育成し、HMA法により変異導入を確認した。その内45個体について、9遺伝子座に対して同時変異遺伝子数が4個のものは4個体(8.9%)、3個のものは11個体(24.4%)、2個のものは10個体(22.2%)、1個のものは16個体(35.6%)、0個のものは4個体(8.9%)であった。また各遺伝子ごとの変異導入個体数は、SCPP1が36個体(80.0%)、SCPP2が0個体(0%)、SCPP3Aが4個体(8.9%)、SCPP3Bが13個体(28.9%)、SCPP3Cが7個体(15.6%)、SCPP4が9個体(20.0%)、SCPP5が0個体(0%)、SPARCが19個体(42.2%)、SPARCL1が1個体(2.2%)であった。すべての個体において、目視において歯の形状への変化は認められなかった。この結果から、部分的に一部のSCPPタンパクの発現量や発現細胞が減っても、歯の形状自体には影響を与えないことが示唆された。さらに、哺乳類や他魚類で歯形成に関与が示唆されているMsx1、Msx2、Dax1、およびDlx1A、Dlx2A、Dlx3A を新たに標的に加えてゲノム編集を行ったが、歯の低形成個体は一尾も確認できなかった。
|