2019 Fiscal Year Annual Research Report
Growth characterization of histamine producing Morganella psychrotolerans and bacteriophage therapy in seafood
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17K07931
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 浩司 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (40250500)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒスタミン食中毒 / Morganella / 水産食品 / バクテリオファージ / ヒスタミン / 食中毒 / モルガネラ / 微生物制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒスタミン産生性Morganella psychrotoleransに特異的に感染し,液体培地において発育を抑制するMyoviridae科に属するバクテリオファージ(ファージ)MPV-5株の抗菌力を増強する物質(有機酸塩)の探索を行った。その結果,MPV-5株と酢酸ナトリウムとの併用によってM.psychrotoleransによるヒスタミンの蓄積が効果的に抑制できることを見出した。この酢酸ナトリウムの併用によって,ファージの吸着や安定性,バーストサイズに大きな変化のないことも明らかにした。しかし,ファージと酢酸ナトリウムの併用効果は,M.psychrotoleransの初発菌数が少ない方が効果的であることも判明した。さらに,酢酸ナトリウム以外のMPV-5株との併用に有効な抗菌物質の検索を行い,MPV-5株 (7log PFU/ml)とポリリジン (250マイクロg/ml) の併用が有効であることを初めて見出した。実際の食品での有効性を調べるため,マグロ肉にファージMPV-5株と酢酸ナトリウムを接種し,その併用効果を各種温度で調べたところ,これらの組み合わせで処理した試料において,M.psychrotoleransの発育が抑制され,それに伴ってヒスタミンの蓄積も遅延した。また,このヒスタミン蓄積の遅延は低温保存(4℃および10℃)したものにおいても確認できた。したがって,本研究で新規に分離したファージMPV-5株は水産食品におけるM.psychrotoleransによるヒスタミン蓄積の抑制に有効なファージであることが証明され,また,酢酸ナトリウムやポリリジンとの併用によって長期間にわたってヒスタミンの蓄積抑制が続くことから,新しい水産食品におけるヒスタミン蓄積抑制法となり得ることを示した。
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Research Products
(4 results)