2018 Fiscal Year Research-status Report
食用褐藻由来フロロタンニンの抗アレルギー効果における腸管免疫の関与
Project/Area Number |
17K07951
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
杉浦 義正 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 准教授 (60608107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝崎 裕隆 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (10262990)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フロロタンニン / 抗アレルギー効果 / 抗炎症効果 / 免疫調節 / 食品機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.食物アレルギーモデルマウスにおいて、フロロタンニンによるリンパ球数(主にT細胞)に及ぼす影響を、フローサイトメトリーを用いて解析したところ、T細胞サブセット全体では低下傾向であった。一方で、そのうちの制御性T細胞(Treg)は増加傾向であることが分かり、フロロタンニンはTreg細胞に特異的に作用して活性化し、抗アレルギー様の作用を示す可能性が示唆された。 2.同時に、B細胞に対する影響もフローサイトメトリーを用いて調べた。その結果、B細胞数に対しては影響を及ぼしていないことが分かり、過去の研究で判明したIgEレベル低下は、他の機序によるものと推察された。 3.褐藻サガラメから単離されたフロロタンニン6種(eckol、6,6'-bieckol、6,8'-bieckol、8,8'-bieckol、phlorofucofuroeckol(PFF)-A、PFF-B)は、アレルギー炎症モデルマウスにおける炎症を抑制した。その機序は、炎症系リンパ球におけるケミカルメディエーターの合成および脱顆粒の抑制、合成酵素の遺伝子レベルでの発現抑制によるものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の研究計画の内容の通り、フロロタンニンの免疫調節作用におけるリンパ球(T細胞、B細胞)数への影響に関するデータが得られた。また、Treg細胞とのバランスに関する新規知見も得られた。また、サガラメ由来フロロタンニン6種に関する抗アレルギー性の成果も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.アレルギー条件下での腸管免疫に対するフロロタンニンの改善効果を調べる(フローサイトメトリー等)。 2.遅延型アレルギーに対するフロロタンニンの有効性を調査する(フローサイトメトリー、ELISA等)
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Causes of Carryover |
【理由】 平成30年度に計画していたフロロタンニンの腸管免疫への影響に関する調査が実行できなかった。前段階として、実験方法や詳細な文献調査(先行調査)などを行っていたため。 【使用計画】 腸管免疫への影響に関する試験研究で使用予定であった消耗品類を購入する。また、遅延型アレルギーに対する調査についても進めるため、それに関わる消耗品類を購入することで、予算を消化する予定である。
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