2020 Fiscal Year Annual Research Report
The reconstruction of the community through the group-faming
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17K07959
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
安藤 益夫 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70373230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 毅 山形大学, 農学部, 教授 (60355261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 集落営農 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、H法人の主幹作目である水稲作への出役の実態解析を行い、以下の点を明らかにした。 1) 耕耘・田植などの春作業への出役は、トラクターや田植機などのオペレータには17名が延べ111日出役し、そのうち役員の出役は95日で、全体の86%を占める。H法人を牽引する役員層が機械作業面でも貢献が高い。また、田植補助などの人力作業に関わる一般作業へは、47日で18名中が出役し、うち13名が女性である。コンバインによる収穫、籾運搬、乾燥機操作等の秋作業は、延べ出役日数144日を20名で対応している。春作業と同様に、役員の出役割合は高いものの、その比率は約60%であり、春作業よりは低めである。この背景は、収穫は田植えほど厳格な適期作業を要求されないので土・日の作業が可能となり、兼業就業の現役世代も出役しているからである。 2) 畦畔草刈りと水管理等の肥培管理作業は、H法人が各圃場管理者に委託する方式を採っており、原則、所有者優先に選出されるが、労働力事情や住居と圃場の距離に配慮しながら、効率的な肥培管理ができる適任者を、上・中・下の組単位の話合いを通じて選出する。圃場管理者は総勢27名である。この多人数の背景には、体力的に畦畔草刈りが可能な限り、できるだけ多くの住民に長く水稲栽培に関わってもらうためである。 以上、H法人の出役は、できる限り多くの農民を参加させる「地域ぐるみ」の原則が貫かれている。 3)上記の出役実態から、H法人における役員層の貢献が大きいことが明らかになった。ところが、その反面、H法人が組合員農家へ還元している項目内訳をみると、賃金・手当:36%、圃場管理費:18%、地代:36%、役員報酬:10%となっており、土地所有者に対する報酬に比べて、役員に対する報酬が低いことが明らかになった。
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