2020 Fiscal Year Research-status Report
食品残さ飼料化における法制度的・社会経済的フィルターに関する基礎研究
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17K07980
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
淡路 和則 龍谷大学, 農学部, 教授 (90201904)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エコフィード / 食品リサイクル / 食の安全・安心 / 畜産物の高付加価値化 / 食品残さ / 新型コロナ等感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染拡大により実態調査が遂行できなかったため、消費者のエコフィードに関するアンケート(20代中心、有効回答51人)を実施した。この結果から次のことが指摘できた。①エコフィードの取り組みについては、広めるべきとの積極的考えをもつ割合が7割を超えていた。②しかし、実際のエコフィード利用畜産物の選択については、価格や品質に差がない場合は、積極的選択が17%にとどまり、態度保留が約半数となり、リサイクルや環境保全の意義のみでエコフィード利用畜産物が選択されるとはいい難い結果となった。③価格が相対的に低く品質が良ければ、積極的選択が50%を超え、抵抗感や慎重姿勢を示す回答がなくなったことから、価格と品質が鍵となることが確認された。④新型コロナがもたらす食品リサイクルへの意識上の影響については、影響なしという回答が約3分の2を占めており、コロナ禍で食品リサイクルの興味や関心が高まったという回答が4分の1近くあった。逆に、興味や関心が薄くなったという回答は1割程度であった。追加ヒアリングからは、新型コロナ感染拡大で実需先を失った農産物、食料の問題の報道から、食品リサイクルの必要性を感じる契機となったことが明らかとなり、新型コロナはエコフィードについて正のフィルター効果となったといえた。 新たなエコフィード利用について、酪農を対象としてその可能性を探った。協同組合等とのリモート・ヒアリングによって、乳脂肪率を高めるためにバイパス油脂の添加が広く行われるようになったことが把握できた。これは、乳脂肪率が生乳取引において基準とされるための対応と考えられた。そこで添加される脂肪酸製剤の価格を調査し、現行の乳価体系で乳脂肪分率上昇の費用対効果を算出したが、費用対効果があるとは必ずしもいえず、乳脂肪を高めるための相対的安価なエコフィードの利用が期待されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染拡大のため現場での実態調査が国内・国外ともにほとんど実施できなかった。また、豚熱についても慎重な状況を余儀なくされ、調査研究を実施できなかった。 しかしながら、消費者意識を対象にした調査研究を進めることができた。また、これまであまり調査研究の対象としてこなかった酪農についてエコフィード利用に対する期待を探ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染拡大防止のための諸規制が解除された後、保留となっていたエコフィードの利用と畜産物高付加価値化についての実態調査を行う。そして、豚熱とエコフィードに関わる加熱処理基準の強化の影響に関する調査研究を進める。また、新型コロナによって、エコフィード推進が受けた影響について明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大により、実態調査が実施不能となったために、旅費や謝金等の支出機会がなくなったため。また、予定していた海外調査も新型コロナ感染拡大で渡航が困難となり実施できなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度に新型コロナによる各種行動規制が解かれたの後、延期した調査研究を実施する。
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Research Products
(1 results)