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2022 Fiscal Year Research-status Report

食品残さ飼料化における法制度的・社会経済的フィルターに関する基礎研究

Research Project

Project/Area Number 17K07980
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

淡路 和則  龍谷大学, 農学部, 教授 (90201904)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2024-03-31
Keywordsエコフィード / 環境負荷低減 / 温室効果ガス / 酪農技術 / 食品残さ
Outline of Annual Research Achievements

エコフィードと社会的フィルターに関しての本研究のとりまとめ段階に入り、エコフィードの社会的意義について改めて俯瞰的に整理し、新たな視角を提示できた。具体的にはエコフィードの「エコ」についてである。これまでエコノミカルとエコロジカルのエコを重ね合わせて意味として理解されてきた。後者については、食品残さの利用あるいは輸入飼料穀物の代替によって環境負荷低減に貢献することを指していた。ここに温室効果ガス削減による地球温暖化防止の観点を加え調査研究を進めた。
「環境負軽減に向けた酪農経営支援対策」において令和3年度から不飽和脂肪酸カルシウムの給与がメニューの一つに加えられている。この点に着目して、脂肪酸カルシウム等の脂肪酸製剤の利用についての実態把握を行った。こうした脂肪酸製剤は、牛の消化プロセスから発生するメタンガスを抑制する効果があることから、地球温暖化問題へのアプローチのひとつになる。
酪農経営へのヒアリング調査および経営データからは、高泌乳量を追求する技術進歩の結果、乳脂肪分が低下する問題に直面し、その打開策としてバイパス油脂を添加していると考えられた。脂肪酸製剤の利用実態については、愛知県で実施したアンケートから、使用している経営は36%、使用経験がある経営が11.8%であり、使用したことがない経営は52.8%であった。そして、使用している経営は、多頭飼養で高乳量という特徴を指摘することができた。ヒアリング調査から、脂肪酸製剤の価格が上昇していることから、食品加工の残さに注目する動向がうかがえた。
従って、不飽和脂肪酸主体のエコフィードは、酪農技術の課題を克服するという技術改善フィルターと温室効果ガス対策という環境保フィルターおよび政策フィルターから促進が期待されるといえた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

年度途中とりわけ調査を集中的に計画していた夏季を中心に新型コロナ感染の急激な拡大等があり、海外調査および国内での実態調査を控えざるを得なかったことから、当初の計画の通りに研究を遂行できない部分があった。新型コロナ感染拡大に加え家庭の事情もあって、計画通りの方法と内容で研究を実施できなかったところがあったものの、許容されたなかでのヒアリング調査を実施し、またオンラインのヒアリングで代替するなどして研究を概ね遂行できた。
国外からの研究者招へいも予定していたが、新型コロナ感染によって見送ることとした。これについても、インターネットでのやりとりである程度カバーできたといえる。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナ感染拡大で見送りにした海外調査を実施し、国外でのエコフィードに関する情勢変化および研究動向を把握する。
国内においては、新たに加えた温室効果ガス削減という観点から、その効果が期待される飼料添加剤について利用実態を把握するとともに、エコフィードが代替する可能性を検討する。さらに、地球温暖化との関わりや使用原料に対して消費者が抱くエコフィードのイメージについて分析を行う。
国外からの招へいについては、スケジュールを再調整して可能な限り実施し、情報交流とともに研究成果のアウトリーチに努める。

Causes of Carryover

新型コロナ感染拡大および家庭の事情によって計画していた海外調査および国内調査を見送ったために計画通りの予算執行ができなかった。また、国外からの研究者の招へいも見送ったために予定していた予算執行ができなかった。
新型コロナ感染に対する行動規制が緩和されたため、翌年度は見送りした国内外の実態調査および対面でのアンケート調査等を実施し、可能であれば国外からの研究者の招へいも行い、研究のとりまとめを行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (1 results)

  • [Int'l Joint Research] カッセル大学(ドイツ)

    • Country Name
      GERMANY
    • Counterpart Institution
      カッセル大学
  • [Presentation] 酪農における脂肪酸製剤の利用実態に関する考察2022

    • Author(s)
      浅見瑞穂・淡路和則
    • Organizer
      日本農業経営学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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