2023 Fiscal Year Annual Research Report
Basic study on legal and socio-economic filters for the eco-feed from food waste
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17K07980
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
淡路 和則 龍谷大学, 農学部, 教授 (90201904)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食品ロス / 食品残さ / エコフィード / 商品差別化 / 食品リサイクル / 飼料規制 / 飼料資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
エコフィード利用畜産物の需要を規定する消費者意識について、豚肉を事例とした抵抗感をアンケート調査によって把握し、データの蓄積を図った。フードシステムの川上である農産物の選外品、製造過程から出る加工くずや副産物、パッケージミスなどによる非出荷商品の飼料利用への抵抗感が最も小さく、川下のテーブル残さについては抵抗感が最も大きく、継続して実施した調査を支持する結果となった。 EUにおける2001年導入以来のFeed Banについてドイツ、オーストリアでは、当初は厨房残さ(調理くず、食べ残し)の飼料化が暫定措置をとられた後に禁止となった。これを多面的に経年的にみると、当初は、飼料資源の活用とリサイクルの推進から根強い再開論があったが、近年では豚熱等の感染症のリスクが陸続きの欧州では高いことが消費者にも浸透してきている。そのため安全性のフィルターが優勢になり、リサイクル規制を受け入れる志向が高まったといえた。一方で、非反芻家畜のと畜残さ等については、その飼料利用について、蛋白資源の有効活用、植物性蛋白の価格上昇といった社会経済的観点から要請が高まったといえた。食品製造副産物についての飼料利用は根強く、エコフィード原料の種類によって社会経済的なフィルターのかかり方が異なることが明らかとなった。 エコフィードの評価について、温室効果ガス削減の観点が加わってきていると指摘できた。具体的には脂肪酸カルシウムの利用であり、酪農における乳脂肪分の向上等、肉用牛飼養における増体効果促進等の効果から利用されている。それがメタン放出の抑制に効果があることから、温暖化対策からも使用拡大が期待されている。価格の高騰から、脂肪酸製剤をエコフィードで代替することが模索されていることがわかった。リサイクルで資源を節約し環境を保全するというフィルターに加え、温暖化対策のフィルターも形成されつつあるといえた。
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