2019 Fiscal Year Research-status Report
人口減少・高齢化の下での中食の供給構造の動向とその健全な成長に関する研究
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17K07981
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
薬師寺 哲郎 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (20356306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克也 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (20371015)
八木 浩平 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (50769916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中食 / 栄養素摂取 / 食品摂取 / 食品摂取の多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は課題3「中食の浸透が食品摂取に及ぼす影響の分析」について,2018年2月に群馬,栃木,東京23区の2人以上世帯の女性を対象にしたwebアンケートの結果を詳細に分析し,これまでの分析を深化させた。 まず,東京23区について,中食を利用頻度別に主食,おかず,めん類に分類して栄養素摂取に及ぼす影響を分析した結果,次のような点が明らかになった。①中食(めん類)頻度は脂質エネルギー比に負の影響を及ぼす。②中食(主食)頻度は野菜摂取量に負の影響を及ぼす。③中食(主食)頻度は炭水化物エネルギー費に正の影響を及ぼすが,中食(おかず)頻度や外食頻度は負の影響を及ぼす。④内食頻度が高いほど野菜摂取量や脂質エネルギー比が増加し,食塩相当量や炭水化物エネルギー比が減退する。 一方,群馬,栃木,東京23区を対象にして,食事形態(生鮮品調理,加工品利用,中食利用,外食利用)や中食商品の摂取が食品摂取の多様性指標(Dietary Variety Score 以下DVS)に及ぼす影響を分析した。その結果,次のような点が明らかになった。①中食を利用する人はDVSが低い。②中食を利用する人は,DVSを構成する品目のうち,魚介類,大豆・大豆製品,緑黄色野菜の摂取が少ない。③具体的な中食商品の購入頻度を主成分分析によって品目をまとめると,第1主成分「おかず」,第2主成分「主食」,第3主成分「揚げ物」が抽出された。第1主成分「おかず」のスコアが高い人はDVSが高いが,他の主成分は影響を及ぼしていない。④食事形態のパターンと第1主成分の関係は,生鮮品調理+中食利用の組み合わせの場合に第1主成分スコアが高い。 ⑤以上から,中食利用のみではなく,内食に中食を組み合わせることが高いDVSにつながる可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度研究代表者が新設学科の学科主任を拝命して1年目であったためその業務が多忙であり研究に多くの時間を割けなかった。2020年度は業務に余裕ができ,十分な研究への時間が確保できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分析を踏まえ,新たなアンケート調査を実施した上で,研究成果のとりまとめを行う。なお,その中で,新型コロナ感染対策の中食への影響も調査する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者が学内の業務のため十分な研究ができなかったが,次年度は研究への十分な時間が確保できると考えている。次年度は,これまでの研究を踏まえた新たなアンケート調査を実施する予定であり,その経費に充てる。
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