2017 Fiscal Year Research-status Report
インドの飼料穀物需要に影響を与えてきた理由の変化に関する実証的研究
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17K07985
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
草野 拓司 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70409473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
首藤 久人 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40292792)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 飼料 / トウモロコシ / 肉食 / 給餌 / 配合飼料 / 濃厚飼料 / 酪農協 / インド |
Outline of Annual Research Achievements |
インドは中国と並んで人口超大国であるが、中国のように飼料穀物需要の増大に大きな関心が集まらない。それは、間接的理由として「宗教的・文化的要因によりインドでは食肉需要が伸びにくい」(①)、直接的理由として「家畜の多くは庭先での少頭飼いであるためエサは作物残渣で済ませてしまう」(②)、という理由によるものである。しかしUSDAが示すデータでは、特に近年、飼料用トウモロコシの消費量が著しく増加しているのに加え、研究代表者が過去に現地調査を行った際、①や②に変化が生じている可能性を発見した。そこで本研究では、①と②がどのように変化しているのかという実態の把握を第一の目的としつつ、将来を展望するため、そのような変化が生じている要因を実証的に明らかにすることを第二の目的としている。この課題に取り組むに当たり、平成29年度と平成30年度において、肉食調査(肉食の意向に関する調査)と給餌内容調査(給餌方法の内容に関する調査)を農村部と都市部で進める予定としていた。 初年度に当たる平成29年度は、肉食調査と給餌内容調査をソラプール県およびコラプール県における農村で実施した。現在データのとりまとめを行っている段階ではあるが、肉食調査では、農村部でも肉食への強い意向がうかがわれたことに加え、給餌内容調査では、比較的貧しい地域であるソラプール県でも配合飼料の使用がかなり進んでいることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、インドでの現地調査をより重視して行うものである。特に、調査対象とする農村住民や都市住民などに対して、徹底的した聞き取り調査を行うことを最重視している。 そこで、初年度である平成29年度の目標として掲げていたのは、インド西部マハーラーシュトラ州の農村部と都市部における現地調査を進めることであったが、都市部での調査を実施できなかったことに加え、ソラプール県とコラプール県における農村部での調査を一部完了させることができなかった。そのため本研究は、当初の予定よりやや遅れている状況にあると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度に実施できなかった調査を実施することに加え、当初から平成30年度に実施予定であった農村部と都市部での調査を、研究代表者、研究分担者、研究協力者で効率的に分担して行いたいと考えている。ただし、やや遅れている状況にあることから、当初からの予定が完了できなくなった場合は、平成31年度の前半に現地調査を行うことも想定しながら進めることとする。
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Causes of Carryover |
平成29年度は農村部と都市部両方での現地調査を予定していたものの、都市部での調査を実施できなかったため。実施できなかった都市部での調査については、平成30年度に行う予定とし、その際に使用したいと考えている。
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