2018 Fiscal Year Research-status Report
ボランティア型農的体験活動の現地コーディネート機能と政策的推進方策に関する研究
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17K07993
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
鈴村 源太郎 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (90356311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 誠二 福知山公立大学, 地域経営学部, 教授 (20625991)
小野 智昭 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (80356310)
山田 崇裕 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (40625076)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 農村ワーキングホリデー / 農業新規参入 / 少人数分宿型教育旅行 / 農山漁村民泊 / 援農ボランティア / 練馬型農業体験農園 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度については、当科研課題の4つのテーマに基づき次の通り実績が得られた。 課題1のワーキングホリデー(WH)に関する研究については、①WHを通じて農業新規参入を果たした農家調査より、WHの仕組みの存在が農業新規参入に与える効果について論文を執筆し、掲載決定となった(現在印刷中)。また、②2017年10月に実施したWH参加者アンケートの結果については、地域コーディネート組織の役割等について分析を進めているところであり、2019年度中の学会報告を目指している。 課題2の少人数分宿型教育旅行に関する研究については、地域コーディネート組織の役割について文献調査を行うとともに、2018年度中に沖縄県金武町、北海道札幌市、大分県宇佐市においてそれぞれ調査を行った。更に、同年2~3月にかけて47都道府県および地域コーディネート組織に対する電話聞取り調査と簡易アンケート調査を行った。これら結果については2019年度中にとりまとめを予定している。 課題3の都市部における援農ボランティアに関する研究については、①2017年6月に神奈川県茅ヶ崎市内においてヒアリングを実施し、援農ボランティアの参加時間や参加頻度に関する特徴について学会報告を行った。また、②援農ボランティアのマッチング方法による受入状況の違いと受入頻度の高度化に伴う変化についても学会報告を行った。 課題4の農業体験農園に関する研究については、NPO法人「全国農業体験農園協会」事務局より都内の練馬型農業体験農園のリストを入手し、耕地面積と体験農園区画数に基づく類型化を行った。その上で、各類型にヒアリング調査を実施し、体験農園経営の事業内容、経営課題、経営主の意向等を把握した。また、経営主と利用者の非経済的行動動機等を整理するため「ホスピタリティ」理論の適用を検討した。当課題については2019年度中の学会報告を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題1については、WHと農業新規参入の相乗効果について論文掲載が確定した。また、WH参加者アンケートについても2019年度中の学会報告を目指し、現在準備中である。 課題2については沖縄県金武町、北海道札幌市、大分県宇佐市当の調査において、概ね今後の調査に対する協力関係を構築することができた。また、電話聞き取り調査、簡易アンケート調査についても実施できたので、2019年度中のとりまとめが期待される。 課題3については、2018年度に茅ヶ崎市にて実施した実態調査内容をとりまとめ、学会報告を行った。また、神奈川県7市の調査に基づき農家と援農者のマッチング方法に関する分析についても学会報告を行った。 課題4については、体験農園における経済的・非経済的な行動動機や構成要素、体験農園経営の成長および普及・定着に貢献する経営主組織のコーディネート機能が解明されつつあり、2019年度中の学会等での報告を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は最終年度でもあるので、研究成果の共有と意見交換を積極的に進め、出版物の編纂なども視野に活動を行っていく所存である。各課題に関する具体的推進方策については、次の通りである。 課題1のWHについては、WH参加者アンケート調査の結果に基づく学会報告を予定している。 課題2の少人数分宿型教育旅行については、電話等のヒアリング調査において2017年度の少人数分宿型教育旅行受入実績値をすでに提供いただいているが、2018年度の実績値も確定するので、その分を含め調査協力組織と綿密な情報交換を進めて、学会報告等に向け準備を進める。 課題3の援農ボランティアについては、追加の現地調査を実施し、コーディネート機能について追加の検討を行い学会報告を行うことを予定している。 課題4の農業体験農園については現在までにとりまとめつつある調査結果に基づき、学会報告を予定している。
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Causes of Carryover |
2018年度に学会報告を予定していた課題で若干の進捗遅れがあったので、2019年度は2018年度の残額も活用し、成果の公表に努める。 また、現在、当初予定のなかった出版物の編纂についても検討しているところであり、それに向けた会合などが追加的に必要となるため予算は有効に活用される。
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