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2019 Fiscal Year Research-status Report

Construction of a renewable energy utilization system in Kiribati

Research Project

Project/Area Number 17K07994
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

小野 洋  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40446480)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords気候変動 / 地下水 / 水質調査 / 島嶼国
Outline of Annual Research Achievements

本年度は,地球温暖化被害に脆弱とされる,南太平洋島嶼国キリバス共和国の首都南タラワを対象として,生活環境及び農業生産の実態を調査,整理し,課題を検討した.生活インフラ等の格差から首都部において過密が進行し,あわせて独自の生活習慣から生活環境の悪化が進展していること,劣悪な農業生産条件のもと,野菜価格が極めて高く(2019年9月時点でキャベツ一玉が日本円で約2,500円),貧困層において生鮮野菜の摂取が困難であること等を確認した.
続いて,水資源利用の重要性に鑑み,地下水の汚染状況と農業生産における利用可能性,さらには降水量の実態について調査を継続して行った.地下水については,ほとんどのサンプルが農業用水として不適であり,結果として,現状では雨水に頼らざるを得ないことが示された.EC値がおおむね1,000μS/cm未満が農業用水としての利用基準となるが,3時点(サンプル数は10~14)における平均値と標準偏差(2反復)をみると,渇水期(1,685±1,631),小雨期(1,735±659),多雨期(975±326)であった.他方,雨水については,現地での実測値とモデル(気象庁JRA55)の推計値には大きな差(最大で約3倍)があり,モデルを単純には適用できないことを明らかにした.
地球温暖化が生活環境を含む社会・経済システムへ及ぼす影響については,定量的に因果関係を計測することは困難なこともあり,現時点では,基礎データの継続収集が重要であることを指摘するにとどまった.なお,現地では,水資源制約下での野菜試験栽培が行われていたが,単年度で休止となった.ここからは,人的資源の育成・確保という当初計画では予想していなかった観点が析出された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

過去3か年の研究を通じて、いくつかの新たな知見を得た。1点目は、島嶼国においては海面上昇等、先進国で見聞する地球温暖化の被害とされるものは一定程度確認はされるが、後発発展途上国ゆえ、生活環境への影響がより大きく、問題となっていることである。具体的には、気候変動により降水量が変動し、結果、生活用水・農業用水の確保の困難さが指摘できる。2点目は、研究・生活・教育インフラが脆弱なため、基礎的データ収集が不十分であり、これにより生活環境の悪化が進行している点である。とりわけ、降水量については、モデルによる降水量予測と実測値に大きな相違が見られた。こうした成果を生かすことで、現地における水資源利用の効率化が可能となる。
以上の2点が主たる成果である。なお、今般のCOVID-19の影響により,成果発表及び研究成果の最終段階でのとりまとめが困難となった.そのため,やむを得ず研究期間を延長して対応することとした.

Strategy for Future Research Activity

最終とりまとめにあたって、次年度はCOVID-19の影響で延期となった追加調査等を実施し、得られた研究成果の精緻化をはかり、論文投稿(日本農業経済学会)を行う。

Causes of Carryover

COVID-19の影響より、年度末に予定していた学会報告及び調査が中止となった。次年度の助成金は、追加調査にかかる旅費及び論文投稿審査料・掲載料に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 南太平洋島嶼国における農業生産と水質汚染 ―キリバス共和国南タラワを対象に―2020

    • Author(s)
      小野洋・菅野洋光
    • Organizer
      日本農業経済学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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