2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a renewable energy utilization system in Kiribati
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17K07994
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小野 洋 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40446480)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地球温暖化 / 水質調査 / 後発開発途上国 |
Outline of Annual Research Achievements |
過年度に実施した研究をとりまとめたものを、2021年度日本農業経済学会で報告した。環礁で形成され、河川が全く存在しないキリバス共和国(以下キリバス)では、急激な人口増加の影響もあって地下水汚染が進んでいる。結果として、農業生産における潅漑水確保が困難となり、農産物、とりわけ生鮮野菜の供給がほとんど行われていない。こうした実態を3か年の調査データから明らかにした。 キリバス現地では、地下水をくみ上げて、様々な用途にこれを用いていることから、地下水の潅漑水としての利用可能性を検討した。塩類集積の度合いを示すEC(電気伝導度)については、9割を超えるサンプルでは潅漑水として不適な水準であった。 地球温暖化によるラニーニャの発生頻度の高まりは、南太平洋地域の降水量減少と乾季の長期化、地下水のEC濃度の高まりにともなう飲料水・潅漑水等の用水全体の需給の逼迫をもたらすことが知られている。但し、成果の論文化にあたっては、この点の検証のためのデータが不足していた。本年度は、現地でのデータ収集及び関連機関へのヒアリング調査を予定していた。 但し、コロナ禍にあっては、現地調査は不可となり、情報収集と次年度に向けてのオンラインでの打ち合わせのみを実施した。このように、実質的な研究の進捗はみられなかったことから、本年度は予算を使用せず、次年度に繰り越すこととした。次年度は、最終的なとりまとめと論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調ではある。ヤシ殻燃料の転換装置の実証等は実施済みであり、また原材料の現地調達可能性についても検討を行った。資源循環システムの経済分析については、センサス等の基礎データを収集した。あわせて、分析にあたっては現地での公的機関・民間企業での追加的ヒアリング調査が必要となるが、コロナ禍で現地(海外)調査が実施できなかったため研究を終了できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究自体はこれまでに一定の成果が得られている。但し、論文化のためには現地企業等を対象とした経済構造に関するヒアリング調査、及び水質等の生活環境に関するデータ収集が残されている。今後のCOVID-19の影響次第ではあるが、次年度に追加調査を実施し、研究を完了させる。 なお、次年度の現地調査が困難な場合に備えて、紙面調査等で必要なデータが得られるよう、調査環境の整備をカウンターパートと継続して実施している。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍で各種調査が不可となった。次年度は海外ないし国内でヒアリング調査等を実施する。
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