2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K07995
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菊地 香 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (30325831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝辺 哲男 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50592622)
中村 哲也 共栄大学, 国際経営学部, 教授 (80364876)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食文化 / 移民 / 継承 / 南米 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究実績は、次のとおりである。第一に日本食産業による市場創造活動としてのマーケティングが、どのように現地の文化や生活に馴染み、消費を促 し、産業を形成するファクターとなったのか。これは日系移民が多く居住するブラジルとアルゼンチンを対象とした。ブラジルは日本食が移民により伝わっている。動物油脂をあまり使わない日本食は低カロリーで健康的であるということで、健康食の観点からブームとなっている。実際、サンパウロの東洋人街では日本食を提供する店舗が多く立地していた。予備調査でサンパウロの沖縄県人会を訪問した。その時にインタビューをした。サンパウロにおいて日本食を喫食する機会は多いことを聴取した。また、サンパウロが沖縄と同じような気候であることから現地の出身者は沖縄の食材を容易に入手できているとのことである。第二に中南米における食品市場特性を食品の消費特性と栄養構成要素および栄養水準、栄養課題の面から分析をした。実際にはブラジル・サンパウロおよびアルゼンチン・ブエノ スアイレスの沖縄県人会連合会にてインタビューを実施し、移民社会における栄養変遷のあり方を聴取した。第三に戦後の開拓により農業振興の図られた石垣島のサトウキビの現状を取りまとめた。石垣の農家の多くは県外から八重山に移住し、生活の基盤をサトウキビで作り上げた。しかし、糖価の国際価格の低位安定(2000円/t)により、サトウキビだけでの生活維持は困難となっているのが実情である。 沖縄県民が移民した国内外を調査し、以下のことがわかった。第一に文献サーベイから家庭での食文化継承は調理の担い手が不在であり、簡便で油脂を使用するものだけが継承している。この結果は現在投稿中である。第二に那覇市の公設市場での調査をふまえると、年末年始の行事食だけは家庭での調理が簡便化せず、素材から調理していることがインタビューから把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は研究代表者の職場における研究環境が悪化したことにより、研究方法の大幅な変更を伴った。そのため、年度全体を研究活動に費やすことができな かった。2018年度において菊地は、文献サーベイによる沖縄県における食文化継承をまとめ投稿中である。中村は、沖縄県の食文化のルーツを文献を通じて明らかにした。溝辺は、ブラジルの統計資料をもとにブラジルの大豆におけるバリューチェーンの変化を明らかにした。 研究成果は2018年度は1報だけであるが、近々研究成果を発表させる予定である。また、2019年度はアルゼンチンとブラジルにおいて量的調査と質的調査を実施し、結果を早急にまとめて成果発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は研究計画に従って研究を進める。 1)Step1と2の分析結果を踏まえてさらに、食品の商習慣とマーケティングの特性を明らかにし、流通の阻害要因を明確にする。これにより日本食の輸出上の許認可制度や行政手続きの課題を明らかにする。2)実証調査を通じて、実施上の課題を明らかにする。Step1と2における分析結果を踏まえるが、2018年度の遅れからブラジルとアルゼンチンにおける組織的な移民における調査をする。3) これら研究を基にして、今後の日本食輸出のポテンシャルを量的に分析する。また、日系企業を中心とする販路開拓の課題を実証的に明らかにする。 質的な調査はインタビューを通じて量的調査で明らかにできない項目を深掘りする。量的な調査では移民社会における出身地の食文化がどのように継承されているのかを把握する。 なお、事例地は国内を沖縄県八重山地域、海外は進捗が遅れているので移民受け入れ実績の多いブラジルとアルゼンチンとする。
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Causes of Carryover |
2018年度は研究者代表の職場において研究環境が整わなかったことにより、研究活動が不十分であった。その結果、計画的な予算執行が機能せず、成果の発表にかかる部分や調査にかける予算を2019年度送りとなった。そのために未使用の金額が生じてしまった。2019年度はこの未使用額を調査活動や成果発表のために使用を予定している。
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Research Products
(2 results)