2021 Fiscal Year Research-status Report
「将来的な復旧の可能性を残した無居住化集落」の形成手法:新しい選択的過疎対策
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17K07998
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林 直樹 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50446267)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 無居住化 / 無住化 / 墓地 / 時空間的な連続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、無居住化の回避が難しい場合の次善策として「将来的な復旧の可能性を残した無居住化集落」の青写真と形成手法を提示することであり、大きく二つ、「人間と社会」(歴史的連続性など)、「自然と工学」(生産基盤など)の2系統に分けて実施している。本年度は、もうひとつの系統として「全体のフレームワークの整理」を加えた。
・人間と社会:いくつかのインタビューやワークショップの実施を考えていたが、新型コロナウイルスの影響により実施できなかった。集落維持の観点から墓地に注目し、地域における墓地の役割(例:地域の歴史や伝統を感じる場所)、墓地簡素化のタイミングを整理し(予想が難しいものも多い)、農業農村工学会京都支部で発表した。 ・自然と工学:富山県での現地調査を予定していたが、悪天候により実施できなかった。長期の滞在の可否、一定規模の耕作の有無という点から石川県における無居住化集落(町丁大字レベル)を4種類に類型化し、無居住化からの年数、役所からの距離、標高、積雪の影響を明らかにし(予想と異なり、役所からの距離については特筆すべきものが見られなかった)、農業農村工学会京都支部で発表した。 ・全体のフレームワーク:「将来的な復旧の可能性を残した無居住化集落」(予備集落)を内包する「集落づくりのフレームワーク」である「時空間的な連続性のある都市農村戦略論」(試論)、既存の考え方との違い(空間、時間、将来の捉え方、ゴールと手段)を農業農村工学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、対面の調査、インタビューやワークショップが大幅な制限を受けたため。
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Strategy for Future Research Activity |
できるだけ人と接しない手段により、最後の課題である予備集落の青写真の評価を行う。
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Causes of Carryover |
いくつかの調査分析が実施できなかった。令和4年度、主として社会調査で使用する予定。
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Research Products
(3 results)