2022 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated mitigation measures for agricultural crop damage induced by flood in the South-East Asia
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17K08003
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小寺 昭彦 茨城大学, 地球・地域環境共創機構, 講師 (10435589)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 洪水被害 / 干ばつ被害 / 衛星リモートセンシング / 作付暦 |
Outline of Annual Research Achievements |
洪水および渇水現象による農業被害は同じ場所で連続して起こりうる問題であるにもかかわらず、これらの対応技術がそれぞれ個別に発展したことで様々な矛盾が生じてきた。本研究の目的は東南アジア稲作地域を対象に、冠水・干ばつ両被害緩和のための新たな統合的水資源・栽培管理のあり方を示すことである。研究期間中はコロナ禍により現地調査延期や対象地域変更等の計画変更を余儀なくされたが、広域衛星リモセンを用いて各地域の近年の被害実態を定量的・空間的に把握し、冠水-干ばつ被害の因果関係について明らかにしてきた。2022年度はベトナム南部のメコン川デルタで現地調査を実施し、これまで得られた情報の検証および統合的被害緩和策、特に作付暦の最適化についての検討を進めた。 作付暦は自然環境条件や栽培技術の違いなど複雑な要素から成りたち、耕作者の長年の経験や知識に基づいて発展してきた。栽培には一定の期間が必要となる一方で栽培可能な期間は洪水や干ばつの程度によって制限されるため、この時間的な余裕が少ない作付暦ほど環境変動による被害を受けやすい。この時間的余裕を“Safe Margin for Cropping”と定義し、洪水や干ばつの被害緩和策を統合的に評価する指標として提案した(Kotera, A. A Concept of Time Domain Management for Resilient Rice Production. International Conference on Sustainability in Environment and Agriculture 2022. Hanoi, Vietnam. 11-12 Nov.2022)。過去に被害の経験がある地域ほど余裕期間を十分に確保する傾向にあり被害リスクを最小限にしていること等がわかった。
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Research Products
(1 results)