2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of wind and solar radiation characteristics that affect the disturbance to sensible heat flux in a terraced paddy field
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17K08006
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
竹下 伸一 宮崎大学, 農学部, 准教授 (40381058)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 棚田 / 天空率 / 日照時間 / 顕熱フラックス / 結露量 |
Outline of Annual Research Achievements |
傾斜地水田群いわゆる棚田は,地形が複雑なため気象学的な方法で熱収支を定量的に観測することがほぼ不可能である.棚田は水資源が十分ではないところが多いため,水資源の損失成分となる蒸発散量つまり潜熱フラックスの挙動が重要であるが,その特性はいまだ解明されていない.これまでに棚田の顕熱フラックスの発生時刻が平地水田よりも遅いことが明らかにされており,これは周囲を山に囲まれているために日出時刻が遅くなり,平地よりも結露量が多いことが要因と推測されたが,以外にもこれまでほとんど扱われていなかった. そこで水田毎の微かな日出・日照時間を算出し,結露量と日出後の顕熱フラックス発生までの時間の関係を明らかにすることで,傾斜地水田の顕熱フラックス特性を解明することを本研究の目的とした. 最終年度は,とくに棚田の結露量とその消失に要する時間を明らかにするために,宮崎県日南市の坂元棚田にて詳細な観測と分析を行った.その結果一筆当たり65リットルの結露があり,これを日出後蒸発により消失させるのに,約30分を要することがわかった. 前年度までに,棚田の天空率を詳細に計測した結果,平地水田よりも20%程度低く,そのために日照時間が短くなること,登熟期の日出時刻は平地よりも約50分遅くなることを明らかにしていた.加えて,棚田で計測された顕熱フラックスの発生時刻に着目すると,日出後60分程度遅れてから発生していることから,天空率と結露などがこれに関与している可能性を示すことができた.
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Research Products
(10 results)